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手紙は憶えている (2015)

REMEMBER

監督
アトム・エゴヤン
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  • みたログ 2,398

3.97 / 評価:1346件

忘れない人がいる

  • bar***** さん
  • 2020年7月29日 14時46分
  • 閲覧数 461
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

手紙は憶えている。

これは、アウシュビッツ(ユダヤ人強制収容所)の生き残りである主人公のゼヴと、友人のマックスが思いついた、家族をかつて殺された相手のナチスの親衛隊を(今生きているので)探し出して、復讐を遂げようっていうストーリーなんです。

まずね、こんなおじいちゃんが、70年前の出来事の罪を追いかけて清算しようっていう、ものすごいストーリーが独特で驚きました。それと同時に、そこまでさせるのが「戦争」であって、「ホロコースト」であったという、その重々しさに胸が打たれました。

で、主人公はいろいろあって、認知症になっていて、旅もすごく大変なんですけど、順調に容疑者に会っていくんですね。で彼らは、実は人違いなんですけど、それぞれ大戦の関係者で、いろいろ当時の出来事とかが、彼らとの会話で浮き彫りになっていくんです。

でね、ラストで重要な事実が明らかになるんですけど、これはびっくりさせられました。普通にミスリードで、分からなかった。

で、この映画で伝えたいことっていうのは原題の「Remember」という言葉にある通り、「覚えている」「忘れない」ということなんですね。

それは戦争の記憶を遺そうっていうありがちなフレーズに還元されてしまうものでもあるんですけど、でも被害者とか、戦争の犠牲になった人っていうのはずっとその出来事を覚えているよってことなんです。

加害者が自分の罪から逃れるために、自分が何者であったのかを忘れようとしても、それは儚い望みであって、必ず誰かが覚えているというメッセージなんだと思います。

なので、見終わった後は、すごく厳粛な気分になったというか、戦争っていう情報からは分からないような生々しさっていうのが胸に迫ってくるような余韻が生まれたんです。

それがこの映画の良さやと思います。

自分のしたことを忘れたがっている元ナチスの党員っていうキャラクターが生々しくって、「ほんと何で戦争ってあるんだろう」って思わされました。

特に第二次世界大戦って、民族戦争ともいわれていて、相手民族をとにかく根絶やしにしようとする熱気がすごかったんですね。それはプロパガンダとかの面においても、軍上層部にいる政治家とかの中でもすごく強かったので、現場ではどうだったかは分からないんですけど、虐殺というのは政治的において有効な手段だったと思われていたんです。

今の人が聞いたらむちゃくちゃだと思うんですけど、それくらい当時の民族主義の熱狂っていうのはすごかったんです。なんで民族主義っていうのが生まれたのかっていうと、それは色々な説があって、歴史の本とかを読んでみると、人間について深い考察が語られていたりするので、興味を持った方は読んでみるとお勧めです。

そういう人間の暗い側面である「戦争」っていうものを、ただ忌避するだけでなくて、人間がどうしてそこにたどり着いてしまい、ホロコーストや、今も行われている虐殺といったものに結びついてしまったのか、それを調べてみることが大切だし、すごく勉強になることだと思います。

詳細評価

物語
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  • 切ない
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