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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 (2015)

EYE IN THE SKY

監督
ギャヴィン・フッド
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3.97 / 評価:1151件

解説

ドローンを使い、戦場から遠く離れた場所で進められる現代の戦争の闇を描く軍事サスペンス。罪なき少女を犠牲にしてまでテロリストを殺害すべきかという究極の決断を通し、真の正義やモラルを問い掛ける。キャストにはオスカー女優ヘレン・ミレン、『ニード・フォー・スピード』などのアーロン・ポール、『ハリー・ポッター』シリーズなどのアラン・リックマンらが集結。監督は『ツォツィ』などのギャヴィン・フッド、プロデューサーをオスカー俳優コリン・ファースが務める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

イギリス軍諜報(ちょうほう)機関のキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、ケニア・ナイロビ上空の偵察用ドローンからの情報を基に、戦地からほど遠いロンドンでアメリカとの合同軍事作戦を指揮している。大規模な自爆テロ計画の情報をキャッチした彼女は、アメリカの軍事基地にいるドローンパイロットのスティーブ(アーロン・ポール)に攻撃を命じるも、殺傷圏内に少女がいることが判明し……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)eOne Films (EITS) Limited
(C)eOne Films (EITS) Limited

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」ドローン爆撃の巻き添えをめぐる“神の命題”を問う迫真の軍事サスペンス

 上空数千メートルから密かにテロリストの行動を監視し、ヘルファイアと呼ばれる強力なミサイルをお見舞いして敵を殲滅する無人攻撃機ドローン。自軍の人的被害を一切出さないこの“空の殺人兵器”は、現代の戦争の有り様に革新をもたらした。その反面、ゲームのようにスイッチひとつで人命を奪うドローン攻撃には人道的な懸念がつきまとい、イーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォー」では操縦者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の問題が描かれた。

 ケニアに潜伏中のテロリストを追う英米合同作戦の成り行きを描く本作は、作戦に携わる膨大な数の関係者の人間模様を、実に緻密な“多元中継”のスタイルで描く軍事ドラマだ。作戦はネバダ州の空軍基地のパイロットが操るドローンからの映像をもとに進められ、ロンドンの司令部から指示を受けたナイロビの現地工作員がイスラム系過激派の隠れ家に接近する。鳥型と昆虫型の超小型ドローンも投入し、ついに最重要テロリストの存在を確認したことで一気に作戦の緊迫感が高まる。

 ところが、これはまだ序の口。テロリストたちが自爆テロの準備を行う様子と、地元の少女が隠れ家のすぐそばでパンを売り始める姿が相次いでモニターに映し出され、関係者は大いなる難題に直面する。少女の命も顧みずすぐさまミサイルを発射し、自爆テロの犠牲になるであろう一般市民数十人を救うべきか、それとも攻撃を中断して少女を救うべきか。この究極の二者択一に正解はない。答えは神のみぞ知る。ここに本作の最大のポイントがある。空中のドローンのカメラを意味する題名の「アイ・イン・ザ・スカイ」には“神の目”という寓意が含まれているからだ。

 撃つべきか、撃たぬべきか。それまでドローンを用いた対テロ戦争の複雑怪奇な舞台裏を見せてきた映画の核心はこの一点に集約され、怒濤のディスカッション・バトルへと変容していく。軍人と背広組、強硬派と慎重派の意見が対立し、責任の所在は曖昧になって決断はどんどん引き延ばされる。とりわけ勇ましい軍服姿のオスカー女優ヘレン・ミレン扮する最強硬派司令官の苛立ちぶりは凄まじい。憎きテロリスト殺害に執念を燃やすこの猛女は、クライマックスに驚くべき策をひねり出し、爆撃に突き進もうと試みる。恐れ知らずの神への挑戦か、人間の愚かなる自己正当化か。事の一部始終を見通せる特権者、すなわち私たち観客の目にそれがどう映るのかを念入りに計算して作られた見事なサスペンス映画である。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2016年12月8日 更新

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