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マダム・フローレンス! 夢見るふたり (2016)

FLORENCE FOSTER JENKINS

監督
スティーヴン・フリアーズ
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3.39 / 評価:1,028件

解説

ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにしたドラマ。絶望的な音痴であるにもかかわらずソプラノ歌手になる夢を追う彼女と、それをかなえようと奮闘する夫の姿を描く。監督は、『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ。アカデミー賞の常連メリル・ストリープと、『アバウト・ア・ボーイ』などのヒュー・グラントが妻と夫を快演する。インパクトのある歌唱シーンや、夢を持つことの尊さを訴えた物語に魅せられる。

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あらすじ

ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2016 Pathe Productions Limited. All Rights Reserved
(C)2016 Pathe Productions Limited. All Rights Reserved

「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」ベテランらしいクリアな演出で描く、人々を魅了してやまないフローレンスの本質

 無類の音痴でありながらカーネギーホールでリサイタルを行ったフローレンス・フォスター・ジェンキンスの実話は、先にフランスで「偉大なるマルグリット」として翻案映画化されている。あちらのマルグリットは夫に相手にされない寂しさから歌にのめりこんでいく設定だったが、こちら本家のフローレンスは内縁の夫に支えられて歌に励む。ちょっと風変わりな夫婦愛の物語になっている点が魅力的な映画だ。

 内縁の夫のシンクレアは、英国貴族の庶子という胡散臭い触れ込みの男。財産目当てでフローレンスに近づいたことが容易に想像できる人物だ。が、フローレンスの秘書兼夫の「仕事」を長年続けた今の彼は、ある時は楯となりある時は毛布となってフローレンスを守り抜く。そんな良心に目覚めたチャラ男キャラをヒュー・グラントが絶妙な軽さで演じている。アカデミー賞の助演男優賞ノミネートは間違いないだろう。

 もちろんフローレンス役メリル・ストリープもアカデミー賞候補当確の名演技。イケメンで女性にもモテるシンクレアが、7歳年上で美人でもないフローレンスを本気で愛する理由を万人が納得できるように体現している。その芝居の核にあるのはイノセンスだ。情熱があれば何でもできると信じきって歌手への道を突っ走るフローレンスの純真さ。それこそが、シンクレアから聴衆までを魅了してやまないフローレンスの本質だ。これを、スティーブン・フリアーズ監督は登場シーンの天使のコスプレに象徴させた。ベテランらしいクリアな演出だ。

 もうひとつ、社会派で鳴らしたフリアーズらしさが感じられるのは、大衆がフローレンスを受け入れた背景をわかりやすく描きこんだ点だ。カーネギーホールのリサイタルが行われたのは第二次世界大戦中の1944年。戦争の醜さに疲弊した人々は、フローレンスの破天荒な歌声に現実逃避を求め、無邪気さに救いを感じた。この映画が描くフローレンスは、音痴であることを自分だけが知らない「裸の王様」ではなく、「癒し系歌手の元祖」だ。そのリスペクトの感情が、映画をすこぶる気持ちいいものにしている。(矢崎)

映画.com(外部リンク)

2016年12月2日 更新

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