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素敵なウソの恋まじない (2015)

ROALD DAHL'S ESIO TROT

監督
ダーブラ・ウォルシュ
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3.43 / 評価:144件

ジャズが取り巻くロアルド・ダール原作作品

  • kug***** さん
  • 2017年6月21日 20時55分
  • 閲覧数 1458
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 アパートで独り暮らしする恥かしがり屋で釣りと発明が趣味の老人「ホッピー氏(ダスティン・ホフマン)」は階下のオシャレな老婦人「シルバーさん(ジュディ・デンチ)」に一目惚れ。なんとか彼女と結婚しようとペットのアルフィー(カメ)が成長しないという悩みを利用して気をひく奇策を思い立ち、実行するが…。

 「007は二度死ぬ」「チキチキバンバン」の脚本家としても知られ、「チャーリーとチョコレート工場」「ファンタスティックMr.FOX」「ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」「マチルダ」「大魔女をやっつけろ」の原作者である「ロアルド・ダール」によるイギリス児童文学「ESIO TROT」が原作。邦題では「ことっとスタート」(旧題「恋のまじない、ヨンサメカ」)として知られています。

 ホッピー氏はシルバー婦人の気を引こうと「カメが成長するという呪文」を教えます。それが「ESIO TROT(ヨンサメカ)」。「カメは時間を逆行して生きる生き物だから、逆の言葉で命令してやればそのとおりになる」 つまりESIO TROTとは逆さに読めば「TORTOISE(カメ)」というわけで「大きくなれ、太くなれ」と次々と成長を願う逆さ言葉にしてカメに聞かせるように婦人に言いました。婦人はそれに大いに感謝しましたが、実は当のホッピー氏はそれを信じてはいませんでした。この呪文はホッピー氏の思いついたウソで「一月も続ければ倍の重さになる」という約束のとおりにするため、趣味の釣り旅行の貯金を崩しペットショップをはしごして、見た目の似た大きさの違うカメを100匹も買い集めて飼い始めたのです。そして、2日に一度のペースで、釣竿と台所用品を組み合わせて作った特製のクレーンを使ってシルバー婦人のバルコニーからカメを盗み出しては自分の飼っている少し大きなカメと取り替えるということを続け、それに気がつかないシルバー婦人はアルフィーが成長したと大喜び。ホッピー氏に感謝するのですが…。

 ほとんどの舞台がアパートの三部屋と通路、ロンドンの街角のロケだけというBBC(イギリス国営放送)製作の非常に小規模な映画で、ほとんどが米英を代表する初老の名優二人の掛け合いだけという内容。監督も新人ですが、変に奇をてらっていないように見えながらも、まるでモンティパイソンのスケッチ(コント)のようにひたすら狂言回しの男性がロンドンの街をうろつきながらナレーションを入れるという展開で、ほぼアパートの中だけで進む物語に変化を与えているのも面白い、当然、この男性にもドラマがあり、なぜホッピー氏の話を知っているのか、いったい誰なのかという謎を投げかけ、そちらもちゃんと物語の流れのなかで解き明かされていきます。

 シャイでお人よしな老人が悪い人ではないが気の合わない隣人のお節介やずうずうしさに辟易しつつも、一目惚れした老婦人の愛を勝ち取ろうと度を越した数のカメを飼う。そのうちカメに愛着がわいてきて…。部屋にあふれるカメや餌のキャベツがまきこすトラブルも笑わせてくれます。

 小規模で切れが良く、名優の掛け合いだけという考え方によっては非常に贅沢なコメディで、本当にお勧め。
 原作が児童文学だけに、細かいリアリティについてはあまり考えないように。「ウォンカみたいな変人、実際にはいないだろ」と言ってるようなもんです。話の前提から否定しちゃうんじゃなくて、作品世界をありのまま楽しみください。

 ホッピー氏の心情を語るように次々と掛かるジャズの名盤も聞きどころ。カメに「サッチモ(ルイ・アームストロングの愛称)」と付けてたりして、そんな笑いもあります。

詳細評価

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