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秋の理由 (2016)

監督
福間健二
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3.27 / 評価:33件

“詩率”と秀作度をここまで上げてきたか!

  • da5***** さん
  • 2017年5月27日 1時40分
  • 閲覧数 424
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    • 総合評価
    • ★★★★★

冒頭の、枯れ葉たちの堂々としたアップを見て、私はこう直感した。「これはいきなり前作(落ち葉の上に寝ころんだ美しい“佐々木ユキ“)を超えているという合図だ。福間映画はさらに進歩した」

前作までと比べ、詩の含有率が大幅に上がっている。
主要役者四人とも、詩や詩的セリフを耳にぎりぎり残りやすい速度で話してくれているようで、今作は理解が楽だ。よく演じきった不可欠な四人(伊藤洋三郎・佐野和宏・趣里・寺島しのぶ)に加え、木村文洋が最高。小原早織ももちろんいい。
それだけではない。動作や物や景色。言葉以外もありとあらゆるものが、詩である。これこそが驚異的な前進。この映画の中に「詩ではないもの」を探す方が難しいぐらいだ! しかもそれは細かに計算ずくで。
詩は玩具ではなく、混迷世界を正気につなぎとめる精一杯の本当の武器である。映画(や歌や小説)と同様に。───私は福間監督の「あきらめなさ」を支持する。成長できる者はきっと強い。

最初の読唇「き・き・あ・き・た」と、道向こうからの自転車の趣里の完璧な天使微笑のところが私には極上だが、唸らせる箇所はほかに二百以上あった。黒に添えたその彼女の白い手、などなど。
筆談がサイレント時代の字幕を想起させる(書きなぐる佐野の毎回の字体の微変化がまたすばらしい!)のはいうまでもないが、全体に映画の歴史が相当含まれていそうだ。例えば、縄を何回巻いていくか我々につい数えさせるシーンは「ロッキー」の生卵だし、その縄の悲哀感そのものは「桜桃の味」(か反対に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」)を連れてくる。

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