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本能寺ホテル (2017)

監督
鈴木雅之
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  • みたログ 6,946

3.76 / 評価:5655件

タイムスリップを通して描く自分発見物語

  • nob******** さん
  • 2017年1月14日 22時47分
  • 閲覧数 7769
  • 役立ち度 115
    • 総合評価
    • ★★★★★

本能寺の変へのタイムスリップ、綾瀬はるか主演、ということに惹かれて鑑賞したが、予想以上に面白かった。本作は、歴史ミステリーというよりは、タイムスリップを通して主人公(綾瀬はるか)が自分探し&自分発見をしていく物語である。

積極的にやることが見つからない主人公・繭子(綾瀬はるか)は、勤めていた会社が倒産したのを契機に、なんとなく恋人のプロポーズを受け入れ、恋人の両親に会うために京都にある本能寺ホテルに宿泊する。そして、エレベーターに乗った主人公は、なんと戦国時代の本能寺の変前日にタイムスリップしてしまう。最初は当時の人達からは際物扱いされ大騒ぎとなるが、主人公のほんわかキャラが奏功し、次第に、森蘭丸(濱田岳)、織田信長(堤真一)と心を通じ合うようになり、ついには、信長に本能寺の変を知らせる決心をする・・・。

本能寺の変は、日本の歴史上最も劇的で有名な大事件である。ここにタイムスリップするとなると、主人公がこの大事件に巻き込まれていくだけでも見応え十分な展開だと予想したが、それ以上だった。本作は、自分のやりたいことが見つけられない主人公が、本能寺の変直前にタイムスリップし、信長の考え方、生き方に次第に触発され、自分のやりたいことを見つけ、積極的に生きていくまでをコミカルに描いている。

何といっても主人公を演じる綾瀬はるかが際立っている。主人公と綾瀬はるかのキャラが合致していて全く違和感がない。綾瀬はるかのはまり役である。脇を固める俳優陣も効いている。信長役の堤真一は、信長らしい傍若無人ぶりと先見性を好演している。森蘭丸役の濱田岳は本音と建前の使い分ける演技が光る。恋人の父親役の近藤正臣も、主人公を温かく見守り諭していく好好爺ぶりで良い味を出している。

戦国の英傑・信長も本作では主人公の人生の先輩的な役回りであり、やりたいこと等、らしい助言をする主人公との会話シーンが心温まり微笑ましい。我々が知る信長にしては物分かりが良過ぎるが、そんな信長もありかも思わせるほど、綾瀬はるかと堤真一の息がピッタリ合っている。主人公に自分の未来を知らされた信長の行動が魅力的であり、本能寺の変の後、何故、豊臣秀吉が超高速中国大返しを実現できたのかの答えも用意されている。フィクションではあるが妙に説得力のある答えになっている。

当時からお馴染みなもの等を織り交ぜた、主人公がタイムスリップするための条件が洒落ている。タイムスリップから戻る条件も如何にもホテルらしくて面白い。ラストで、ホテルの支配人(風間杜夫)が取る行動は、タイムスリップものの定石であり、SFらしい幕切れだった。

最近、タイムスリップを題材にした作品が多く、過去が変わるケースすらある。やはり、過去は変えずに、過去の出来事に至る経緯、プロセスを変える方が無限の選択肢がある。意外性があって断然面白い。本作は、そんな作品の好例である。

詳細評価

物語
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演出
映像
音楽

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