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上映中

ダンケルク (2017)

DUNKIRK

監督
クリストファー・ノーラン
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3.76 / 評価:2,816件

☆既成概念・固定観念を捨てろ!☆

一番に言いたいのは、
『既成概念・固定観念を捨てて、
柔軟に、見たまま、聞くままに、受け入れる』
映画鑑賞の基本中の基本ですが、
この映画で、再確認するとは思いませんでした。

この映画は戦争映画です。
しかし、今までの戦争映画の様な、
テーマありきの映画ではありません。
しかも、反戦とか、戦争の虚しさとか、残酷さと言った、
高尚なテーマではありません。

更に言えば、
この映画は、ストーリーに関し、重要視していません。
実話であり、結論ありきの映画です。
つまり、ストーリーは、既に完成・完結しているのです。

私達が観てきた、
戦争映画の固定観念を捨てて、
この映画の舞台である、
第二次世界大戦で、フランス、ダンケルクに取り残された
40万人イギリス軍兵士と同じ目線で、戦場を疑似体験する。
疑似体験を通じ、どう感じるかを観客に委ねる。
今作はそういう映画だと私は解釈します。

監督である、クリストファー・ノーラン監督は、
過去の戦争映画を観て、既存の価値観では、
この映画の凄さは伝わらないと感じたのでしょう。

壮大なスケール感を感じる
今迄の戦争映画と同じ路線ではなく、
シンプルに徹し、敢えて、ダンケルクに取り残れた
イギリス兵士と疑似体験させ、
劇場で臨場感・緊張感を感じる映画を創ることにより、
今までの戦争映画とは違うアプローチで見せる。

戦争映画(しかも実話)の膨大な情報・ストーリーの中で、
こういう目線で描く事は、意外や意外に難しい試みだと思います。

しかし、ノーラン監督は、
同じ目線で描くに辺り、見事に潔く、見せてくれたと思います。
ドイツ軍の様子を描かない事で、見えない不気味さを見せ、
どこから、やってくるかもしれない、爆弾、銃弾は、不安感を煽り、
同じ目線で描く事により、
先が見えない不安感、絶望感を、観る側に委ねる。
余計な背景を見せない。何が起こるか解らない。
解らないからこそ、
観客に、不気味・不安感を想像させる。
それでも、藁にすがる様に、ここから脱出しようとする、
名もなき兵士のサバイバルを描く。

マクロ的発想ではなく、
ミクロ的な発想と言える試みは見事に、
観客に伝わったと思います。

ノーラン監督は、疑似体験として、
観る側を惹きつける為に、映像・音楽の効果を、
最大限に発揮したと思います。

とにかく、映像・演出に無駄がない。
練りに練って、こういうビジョンがしっかりしている。

カメラアングル・様々なアングルで
、恐怖感、緊張感を最大限に見せ、
ノーラン監督お決まりの、CGを使わず、
実際に軍用機、軍用船、エキストラ、
実際のダンケルクでのロケを通じ、
可能な限りのリアリティ感、臨場感を再現し、
恐怖感、緊張感を最大限に見せている。

物語後半で、冒頭から流れた、
後述するハンス・ジマーのスコアが止まった瞬間の解放感は、
観た方なら解るでしょう。

そして、もう一つの主役が、
ハンス・ジマーの、野心的なスコア。
今迄の、オーケストラ的なストリングス的なテイストではなく、
秒針音・鼓動音ベースにした、
不安感を煽るかの様なシンプルなスコアは、
今までのハンス・ジマーのスコアの
イメージをいい意味で裏切ってくれる。
しかも、冒頭から、ストーリー終盤迄、
途切れるなきこの不気味なスコアが、
更に不安感、不気味さを増す。
間違いなく、ハンス・ジマーの代表曲になる事でしょう。

今作は、☆満点。
できれば、劇場で観て欲しいというか、
劇場で、大画面・大音源でないと、
この映画の魅力が伝わりません。
つまり、映画の力を信じ、最大限発揮した映画です。

そして、
これと言った高尚的なテーマありきの
映画ではありません。

『テーマあっての映画』ではなく、
『こういう歴史的事実に遭遇した兵士と同じ目線で、
こういう方法で、臨場感、恐怖感、
不気味さを見せて、体験させよう。』と言った、
監督をはじめとした、制作陣の執念と意地が伝わる。
だからこそ、高尚なテーマ云々・・を凌駕し、
一つの映画の新鮮な面白さを確認し、
世界観を拡げてくれたのだから。

ダンケルクに取り残された
40万人のイギリス兵士の一人と同じ目線で体験する。
この映画の楽しみ方はそれで充分なのです。

いい映画以前に、
間違いなく、凄い映画を観た。
私は、そう思い評価します。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • パニック
  • 不気味
  • 勇敢
  • 恐怖
  • 悲しい
  • 絶望的
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