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メッセージ
2017年5月19日公開

メッセージ

ARRIVAL

1162017年5月19日公開

kaz********

3.0

未来に起こることが分かってしまったら人生は味気ないのでは

冒頭に語られる「人は時の流れに縛られている。始まりと終わりは存在しないのでは」というのが作品の命題である。 ある日突然、世界の12の地域に宇宙船が降り立つ。アメリカのバークレーに降り立った宇宙船について、言語学者のルイーズは飛来の目的とどこから来たのかを聴き出すよう依頼される。物理学者のイアンと共にエイリアンとセッションを行うが、タコのようなエイリアンの触手から吐き出される表意文字の解読に手間取る。そのうち、業を煮やした中国のシャン中将は宇宙船に攻撃命令を出す一歩手前までいく。必死の覚悟でセッションに臨んだルイーズに返された返事は『武器を使え』だった。はたして、人類はエイリアンと戦端を開くことになるのだろうか・・・・・・・。 冒頭映し出される娘・ハンナとの楽しそうなじゃれ合い、それから病気になって臥せるハンナを看取るルイーズのこれらは過去の話だとばかり思っていたが、ラストエイリアンが去った日からハンナの人生は始まったというナレーションが流れて初めて、これから起こることだったのだと気づいた。 夢に現れるハンナが示唆する「お互いにプラスになる取り決め」いわゆる『ノンゼロサムゲーム』が「人類を助ける。3000年後に人類の助けが要る」というエイリアンの予言だったとは、驚きの展開である。 「12のメッセージを繋げる。全ては一つ」というエイリアンの宇宙的愛に、「人類はいがみ合ってる場合か」と皮肉が聴こえる。しかしである。ルイーズは未来に起きることが分かる能力をどこで身につけたのであろうか。一瞬を大切にすると言うが、これから起きることが分かってしまうと人生は味気ないものになってしまうのではないか。

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