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ホドロフスキーの虹泥棒 (1990)

THE RAINBOW THIEF

監督
アレハンドロ・ホドロフスキー
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  • みたログ 139

3.37 / 評価:76件

「カネ」か、「神の永遠のパラダイス」か?

  • hir******** さん
  • 2020年12月21日 9時34分
  • 閲覧数 197
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

(1)大富豪ルドルフ
舞台はパリ。飼い犬のダルメシアンにしか興味がない変わり者の大富豪ルドルフ。「レインボー娼館」の売春婦たちとの乱痴気騒ぎの最中、彼は突然の心臓発作で昏睡状態になる。ルドルフの遺産にしか興味のない親族たち6人が会議を招集。彼らが気になるのは、「ルドルフの遺産すべてが風変わりな甥メルアーグラに渡るのではないか」ということだった。
(2)甥メルアーグラとコソ泥デュマ
それから5年後、甥メレアーグラは「叔父ルドルフの死によって相続できるであろう遺産」の話をコソ泥のデュマにして、食べ物など運んでもらいデュマと2人、下水道で生活を送っていた。メルアーグラには愛犬がいたが、今は死んでしまい。彼は愛犬のはく製とともに生きる。メルアーグラ(彼をデュマは「陛下」と呼ぶ)は哲学的瞑想的な生活を好み「魂は永遠に生きる」と歌う。コソ泥デュマは「魂よりカネだ」と叫ぶ。
(3)大富豪ルドルフの死
大富豪ルドルフが死ぬが、彼は遺産すべてを「飼い犬のダルメシアンの世話をする」という条件で「レインボー娼館」に残すと遺言した。甥のメルアーグラには遺産は一銭も行かない。コソ泥のデュマは激怒する。「お前はわしにカネをくれると約束した」とデュマ。「神の永遠のパラダイスを約束しただけだ」とメルアーグラ。かくてデュマはメルアーグラを置いて、下水道から去る。
(4)暴風雨と大洪水
デュマは、水夫を募集する船があることを知り、その船で働こうと、列車で港に向かう。だが暴風雨でパリの街が大洪水になりそうだった。彼は、下水道に居るメルアーグラのことが突然、心配になり、大雨の中、下水道にもどり、メルアーグラを助けに行く。二人は、下水道の濁流の中、逃げるが、メルアーグラは力尽き、流れに飲まれ死ぬ。
(5)虹
デュマは一人、マンホールから下水道の外に逃げることができた。翌日、雨が止む。しかしデュマはただ茫然としていた。やがて彼は橋の上から、川を泳ぐ「メルアーグラの愛犬にそっくりの犬」を発見する。デュマは、その犬を助け上げ、再び生きる希望を見出す。空には雨上がりの虹がかかっていた。

《感想1》甥メルアーグラは風変わりだ。(彼は働かずに哲学的瞑想的な生活をするだけの一定の財産を、もともと持っていたのだろう。)彼は「魂は永遠に生きる」と信じ、「神の永遠のパラダイス」に憧れる。彼は、この世の死を恐れない。
《感想1-2》とは言え、生身の体を持つメルアーグラは、「本能的」には死を恐れる。だから下水道をコソ泥デュマとともに逃げ、必死に脱出しようとした。だが最後、彼は濁流にのまれる中、死を恐れず受け入れた。(Cf. 観客にとって悲しい!)
《感想2》コソ泥デュマは、路上生活者だ。繁華街や盛り場、市場でものを盗んで生きる。悪臭芬々だ。(Cf. 下水道に住む「陛下」メルアーグラも悪臭芬々だったろう。)

《感想3》ともかくデュマは、生きねばならない。そして多くの者が殺し合わずに生きるための一定の秩序はある。例えば、下層階級でも(「内集団」=仲間内では)盗みは悪だ。またカネを得るためになんらかの仕事をしなければならない。(Ex. 新聞を売る、花を売る、乞食としてお恵みを貰う、娼婦として働く。)
《感想3-2》もちろん上流階級、中流階級の生活・経済もある。国家など公的権力組織も機能している。(Ex. 警察組織、遺産相続制度)
《感想3-3》善悪またそれに基づく秩序は基本的に「内集団」のメンバーの間にのみ存在する。「外集団」に対してはあらゆる悪が許される。「外集団」には、「内集団」の善悪の基準は適用されない。

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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  • 不思議
  • 切ない
  • コミカル
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