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未来を花束にして (2015)

SUFFRAGETTE

監督
セーラ・ガヴロン
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3.66 / 評価:455件

カマラ・ハリスさんが副大統領になった日に

  • ogi***** さん
  • 2020年11月12日 13時38分
  • 閲覧数 252
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

「未来を花束にして」2017
原題はSuffragette。参政権Suffrageに女性を表す接尾tteを付けた造語。女性参政権を求める女性運動家を揶揄した言葉だったが運動家達はその名前を誇らしく名乗った。

予告編だと穏健な運動の様に思えるが実は大変過激な活動だった。そして彼女達を敵視する政府と警察も彼女達に過酷な弾圧を行った。

映画の冒頭、女性運動家が店舗のショーウィンドウにレンガを投げて割る騒動の場面から始まる。

参政権Suffrageの語源は「石を投げる」と言うものがあるそうだ。古代投票は陶器に候補者の名前を書いて行われたことによる。

1912年イングランド。労働者階級に生まれた主人公モード・ワッツは母と同じ洗濯女として7歳から働き始めた。工場長から受けるセクハラ・パワハラ。同じ工場で働く夫も(当時の価値観だから)彼女には息子の母の役割、労働者であることだけを求められ選挙権などあり得ないのだ。

冒頭の騒動で出会った活動家イーディスと出会い女性参政権運動に参加していく。国会で証言をしても法律は改正されず女性参政権は却下される。合法的に陳情しても埒があかない。地下に潜伏して指揮を取るパンクバースト夫人の方針で活動家達は郵便ポスト放火、電話線切断などのテロ活動を始めとうとう首相の別荘を爆破する。

警察に逮捕されたモードは抗議のためにハンガーストライキを行う。ハンストで餓死すると殉教者として参政権運動を力付けてしまうため刑務所は収監された主人公の手足を拘束し鼻に管を通して強制的に「食事」を取らせる。これは拷問である。

今の価値観からすると非合法の破壊活動は賛成できるものではないけれど、合法的な政府への陳情が却下されると世論へ訴える手段は非合法活動しか無い。大体、女性に参政権がないという法律、母親に親権がないと言う法律が間違っている。

彼女達サフラジェットは最後の賭けに出る。国王への直訴だ。ダービー観覧に来る国王へ直接メッセージを届けるのだ。活動家達の狙いに気付いた警官が阻止しようと追跡する。果たしてサフラジェット達の想いは届くのか。

女性の置かれた悲惨な境遇、言われない差別、虐待には言葉が無い。「私を離さないで」のキャリー・マリガン演じるモード、最初は活動に巻き込まれて悲惨な経験を経て粘り強く諦めない。抑えた演技に涙が出る。

この映画を私は2020年11月8日に観た。ジョー・バイデンとカマラ・ハリスが大統領選挙に勝利した日だ。

カマラ・ハリスさんは演説でこう述べた。「すべての女性たちは投票する権利を守るために1世紀以上に及ぶ努力を傾けてきました。100年前、憲法修正第19条が、55年前には投票権法ができ、そして2020年の今、私たちの国の新たな世代の女性たちが投票しました。投票して自分の意思を示すという基本的な権利のために闘っているのです。今夜、私は彼女たちの苦しみの闘いを思い起こします。彼女たちの確たる意思や洞察力をです。何が成し遂げられるか見極め、後をついで取り組みたいと思います。

私が最初の女性の副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。
 すべての幼い女の子たち、今夜この場面を見て、わかったはずです。この国は可能性に満ちた国であると。私たちの国の子どもたちへ、私たちの国ははっきりとしたメッセージを送りました。ジェンダーは関係ありません。野心的な夢を抱き、信念を持って指導者となるのです」

100年前血を流した彼女達の願いが叶った。

イギリスが女性参政権を付与したのは第一次世界大戦後。映画のクレジットタイトルに各国の女性参政権獲得の年号が列記される(日本は記載無し)驚くべきはニュージーランドがいち早く1893年に女性参政権を与えていることだ。新型コロナウィルス対策に世界一成功しているニュージーランドの首相は女性である。女性が政治に向いていないなど全く間違っている事が証明されたのだ。

モードやパンクハースト夫人達に教えてあげたい。あなた達の努力は身を結んだ。世界の全ての国では無いけれど。

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