映像、演技、演出―全てに圧倒されるばかり
- エル・オレンス さん
- 2020年11月30日 20時22分
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- 総合評価
『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)、『SAYURI』(2005)と、日本を舞台にした外国映画は、本国では低評価の傾向がありますが、この『沈黙』はかなりの高評価を博しています。確かに先の2作に比べ、違和感などが全く感じられない、実に自然な仕上がりだと思います。
いやぁ改めて、マーティン・スコセッシは凄い才能の持ち主ですね。これが、あの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)の次作とは信じられない・・!(笑) ですが前作とはまた違った形で、息を呑む映像美、気迫溢れる演技、壮大なカメラワーク演出の全てに圧倒され、引き込まれっ放しでした。冒頭のショッキングな拷問シーンから、渡航、浅野忠信との出逢い(個人的に彼のベストアクト)、リーアム・ニーソンの登場(着物似合い過ぎでしょw!)、そしてラストの殉教まで、一瞬たりとも目が離せない脚本の威力も凄まじいです。全編通して音楽がほぼ皆無で、エンドロールすら自然の音のみ流す演出なのも、本作の世界観を昇華していて素晴らしいです。
正直、これほど中世期の日本を力強く美しく撮れる邦画って、今の時代にありますか・・?日本の情感や信念を見事に映像で表現したM・スコセッシ監督に敬意を払います。
70歳過ぎても全く才能の衰えを見せぬどころか、ますます飛躍していく彼の才能にひれ伏すばかりです!
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