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シンクロニシティ

シンクロニシティ

SYNCHRONICITY

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hsa********

5.0

傑作。不親切難解ご都合不条理劇

アメリカの低予算映画。 まず、キッチリ撮影されて編集されていることに気付こう。 そして、ほぼ肌の色を犠牲にしてまで、暗い画面が続くが、エンディングに近づくと肌色が見える仕組みに気付こう。 そして、冒頭から円のイメージが氾濫し、エンディングが近づくと斜めのイメージの氾濫になることに気付こう。 この映画はブレードランナーの安っぽいリメイクに見えるが、そうでない。 かなり硬質で本格的な映画なのだ。 よっぽどブレードランナーのほうが軟派なのだ。 コマーシャルな部分をほぼ確信的に排除しているこの映画の核心部分は主人公が、円の世界の住人から斜めの世界の住人へと楽天的に変化していくことにある。 映画史的に斜めの世界の描写は最難関なのだが、ほぼ何のテライも無しに斜めへ移行していくのが偉いのだ。 斜めの王国の王、オーソンウエルズに近づき、ひざまづいている感じが、いいのだ。 ブレードランナーはまあどうでもいいのだ。 むしろオーソンウエルズの審判かミスターアーカディンあたりの感じなのだ。 だから物語の辻褄やタイムトラベルやパラレルワールドなど問題にならないのだ。むしろ、カフカの城か審判の映画化として作られているのだ。 アメリカの文化の深さを実力を垣間見れる好作品なのだ。 人知れずこうした作品が作られていることに驚く。驚けない人は映画などほぼ語る資格はない。 大傑作というわけではないが、ジョンカーペンター似た楽天性に感動する。 ちなみに、ヴァンゲリスに似た音楽も買いだが、スターキャッスルに似た冒頭の音楽がなんとも魅力あり。

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