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天使にショパンの歌声を (2015)

LA PASSION D'AUGUSTINE

監督
レア・プール
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3.39 / 評価:77件

バッハ(Jazz Ver.)をもっと聴きたかった。

  • soleyue さん
  • 2017年2月17日 23時09分
  • 閲覧数 558
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

時代の流れの中で埋もれてゆく「お金よりも大切なもの」とは何かを思い起こさせてくれる、カナダ発の良質な人間ドラマです。
1960年代のケベック州で、“合理化”や“変革”という名のもとに切り捨てられそうな小さな全寮制の音楽学校を舞台に、「生き残り」をかけて音楽を奏でる教師と生徒の懸命な姿を通して、困難に立ち向かう女性の強さと、潔さ(いさぎよさ)が描かれます。
うつろい行く季節とともに、登場人物たちをめぐる環境の変化や心の動きを捉えた清々しい(すがすがしい)映像も非常に印象的でした。

長く教会に支配されてきた「教育」を改革するために、「公立校」を増やそうという社会の波に、修道院が経営する学校は否応なく巻き込まれて行く。
難しい年齢の少女たちの気持ちを音楽でまとめる事に情熱を傾ける校長オーギュスティーヌは、校内で音楽会を開き、多くの人々に学校の内情を知ってもらうことを計画する。
実は様々な葛藤を胸に秘めたシスターたちも、愛する学校のために団結するが、新任の総長とオーギュスティーヌは全くソリが合わなかった。
その一方で彼女は、転校してきた姪のアリスに若き日の自身の姿を重ね合わせて、音楽の才能を認めると同時に、多感な少女の行動を終始気に掛けずにはいられなかった。

リスト「愛の夢」、ショパン「別れの曲」以外の曲をもう少しゆっくり聴きたかったし、少女たちが踊りながらソックスで床を掃除するエピソードも面白くて、ずっと観ていたかったのですが、サッと画面転換してしまい、幾らでも盛り上げる事が出来た場面が、随分アッサリとした演出で締められます。
でも、そんなサッパリとした演出は、主人公の校長オーギュスティーヌの性格を象徴しているのでした。

公平に誰でも通える「公立校」はもちろん必要ですが、生徒一人ひとりの個性に目を向けられる小さな学校もなかなか捨て難く、これからの世の中は、このような貴重な存在を大切にして行くべきであり、それこそが「ゆとり教育」なのではないでしょうか。「教育」にお金をかける「ゆとり」が必要なのは、大人(社会)の方なのですね。
アリスを演じたライサンダー・メナードの弾くピアノ、バッハ(Jazzバージョン)は迫力がありましたが、Youtubeのインタビューでこの映画について答える彼女を見たら、この役とは全く違うイメージでとっても可愛くて、すっかり魅了されてしまいました。

詳細評価

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