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At the terrace テラスにて
2016年11月5日公開

At the terrace テラスにて

952016年11月5日公開

da5********

5.0

予想通り、普通に庶民向けの傑作だった

演劇という上質な濃厚原液を、映画という魅惑的な炭酸酒で割った感じ。二要素の見事な混ざり合いに、少しの酔いと、明敏な多幸感をもらえた。そのまま杯を干そうとしたら、グラス底に原液が(拡散しきらずに)濃く残っていて────それは終盤の「専務息子と齋藤旦那」からの、演劇色の強まり。確実に笑えたから、これでいい。(しかしこの終盤のみ、何かほかの展開もありえた。) じつは個人的にも、社会のことでも、ちょっといろいろモヤモヤを抱えていた上映前の私だったが、この映画を観おわって駅まで歩いていく時には悩みがすべて吹き飛んで(夜だけど)エナジーが漲っていた。さぞかし監督や役者陣にとってもこれは会心の作であろう。「100%富裕層向け映画」という挑発的な宣伝文句に接した時点で「どうせ中身は逆のはず」と見抜いていた通りに、館内のほとんどの人が同じところで同じように笑っていた。

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