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暗黒女子 (2016)

監督
耶雲哉治
  • みたいムービー 178
  • みたログ 1,196

3.23 / 評価:918件

ラスト24分で、物語はコロコロと転がります

  • yam***** さん
  • 2020年8月19日 12時49分
  • 閲覧数 776
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

「あなたの予測をすべてブチ壊す驚愕のラスト24分!」というこの映画の宣伝コピーがなんとなく記憶にありました。そんなわけで、鑑賞。登場人物は非常に少ないです。そして、あの子にも、この子にも、「実はね…」という種明かしがあります。ラストには、大きなどんでん返しから、小さな伏線回収まで、様々つめこまれています。確かにコピーにある通り、予測はブチ壊されました。

おそらくですが、原作者はアガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」にインスパイアされているのだと思います。ということで、ここからは、「暗黒女子」だけでなく、「オリエント急行殺人事件」のネタバレも入ってきますので、勘弁してよという方は、読むのはストップしてください。

「オリエント急行」は、古い映画とNHKのドラマ版でしか見ていません。でも、たぶん、最近公開されたものも大枠は同じかと思います。物語の序盤から中盤にかけ、ポワロが乗客の取り調べを繰り返していき、そこから事件の概要が見えてくる。これが、「暗黒女子」では少女たちの小説の朗読という形に変わり、事件の概要が見えるようになっています。この朗読のたびに何が事実かわからなくなっていくところは、けっこう面白かったです。そして、疑わしいとされていた人たち全員が犯人でしたという有名なオチへの流れは同じです。「暗黒女子」の方は、その後に第2、第3のサプライズがいろいろとくっついてきます。じゃあ、それで、この「暗黒女子」が、「これは騙されましたよ。一本取られましたね」となるかというと、これが、そうスッキリとした思いは抱きません。なぜだ?

それは、説得力のなさだと思います。明らかになる驚愕の事実の数々が、子どものつく嘘のような説得力のなさなのです。それはないだろうと感じてしまいます。物語の終盤で、観客は本当の事情を知り。そのとき、少女たちに何が起こっていたのかが明かされることになります。ただ、事実を聞かされた上で、“そうせざるをえなかった”感が小さい。「それだったら、仕方がないわ」とか、ぜんぜん思いません。メガネの子、お金がないからって、援助交際までするか。それと、高齢の男性が孫ほど年の離れた子に欲情することって、ないことはないのでしょうが、なんか違和感だなあ。料理人の子、自分が家業を継がせてもらえないから、自宅を放火。そんなやついないでしょう。外人の子の、呪い殺し説。なんで君だけオカルトやねん。副部長、思い通りにいかないからって、いきなり殺人。その行動、分からんわあ。部長の死。親友が机に花を置いて泣き崩れたから、みんなが死んだと思いこんだと。実は死んでいなかったと。それは、無理があるのではなかろうか。

物語に説得力がないから、最初のどんでん返しの後、やたらと説明が必要になったのだと思います。「実はこうだったのよ。みなさん、愚かですわね。実はこうだったのよ」といった塩梅で、副部長が種明かしを長々と熱弁してくれます。そして、腕の切り落としと人肉闇鍋、唐突すぎる猟奇的展開。「そうか!、闇鍋の理由はこれだったのか!」とか思わないですよ。とってつけたようなサプライズに思えました。荒っぽいなあ。確かに、ラスト24分で、物語はコロコロと転がります。正直な感想としては、面白かった。面白かったけれど、それは純粋な作品に対しての評価ではなく、ネタ映画としての評価に傾いてしまったのが残念なところです。

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