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5.0点
最近の映画ドラえもんは特に2期になってから完全に子供向けになっていることが多いのであまり好きではなかった。 しかし今回の南極カチコチ大冒険は原作ファンやSFファンにはニヤリと笑ってしまうような伏線が散りばめられて非常に楽しめた。 コミックス何巻かは忘れたが、今回の映画ドラえもんは「地底国探検」がベースになっている他、それを大幅に改訂して舞台を南極に移し、アメリカの有名なSF作家ハワード・フィリップ・ラブクラフトの一連のクトゥルフシリーズにある「狂気の山脈にて」を引用したまっとうなSF作品である。 そもそも、ご存命だった頃の藤子F先生の大長編は非常にSF要素が強く、スターウォーズやインディージョーンズ顔負けの冒険活劇が主立っており、最近のドラえもん映画はリメイクを含めてそこが抜け落ちている場合がほとんどだったのだが、今回は原点に返って、初期の大長編ドラのような雰囲気を醸し出していて良かったと思う。 これに文句があるお客は最近のドラえもんを見すぎているのか、あるいは原作を読んだことがないのだろうかと甚だ疑問である。 昔見た映画ドラえもんのワクワク感や童心が蘇る力作だと断言できる。 それにしても「ボムプディング」はぜひ食してみたい漫画飯のひとつとなった。
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