レビュー一覧に戻る
22年目の告白-私が殺人犯です-
2017年6月10日公開

22年目の告白-私が殺人犯です-

1172017年6月10日公開

月光雀

5.0

ぶっ飛んだ設定だが非常に面白い

この作品を観終わった後・・私の口元は自然と緩んでいました。 嬉しかった。 スタッフ・役者全員が、全ての力を出し尽くした渾身のサスペンス。 それを映画館の大スクリーンでたっぷり堪能出来たのです。 映画好きとしてこんなに幸せな事はありません。 まずは映像。 のっけから引き込まれました。 圧倒的な情報量を見事な編集技術でまとめあげていますし、時間経過 表現も斬新で素晴しい。 監督のセンスを充分に感じる事が出来ます。 またニュースのタイトル等にも一切の手抜きは無く、過去の映像はき ちんと古く見えるように工夫を凝らしています。 クオリティは最高の部類といえるでしょう。 役者さん達の演技も、流石という他ありません。 藤原さんの存在感は熟練の域に達していて、安心して見ていられます し、「時たま大根」の伊藤さんも、とあるシーンでの泣きの演技が非 常に良かった。感情移入し過ぎて胸が締め付けられる程でした。 そして私が常に最重要視している脚本。 少しある突っ込み所は後述するとして、それを鑑みても非常に観客の 興味を引く事に長けた、飽きのこない出来栄えでした。 場面転換が非常にスムーズで、説得力も抜群。 新たな謎をテンポ良く提示し、先が読みづらくなるよう工夫もされて います。 まあ・・クライマックスは流石に読めやすいですが、謎解きの場面な のだから何の問題も無いでしょう。 後々深い意味をなす言葉「ファントムペイン」 体の傷の理由 端役かと思いきや、実は重要だったとある人物 意味が無さそうであった取材記者達のやりとり などなど細かい伏線を多数張り、きちんと回収している手腕も見事で した。 ラストも実に俊逸。 邦画に多く見かける「謎めかしたバットエンド」や「次に続くかもし れないエンド」に辟易していた自分には最高の終わらせ方でした。 残念だったのはいくつかある突っ込み所です。ネタバレしない程度に 挙げていきます。 まずどうしても引っかかったのが、曽根崎のファンであると公言する 人達。彼がイケメンだという事で女性がほとんどです。 しかし実際の所、世の中の女性達がそんなにモラルが低いとは思えま せん。 5人もの尊い命を奪った人間が、ベストセラーとなる告白本を出した。 その人物がイケメンだったとして、普通キャーキャー言うでしょうか? 私は男ですが、逆にどんな絶世の美女がそんな告白本を出しても、全 く応援しようとは思いません。「理性」が働くからです。 役者ならともかく、実際に死刑相当の犯罪を行った人間のファンにな るなど、真っ当な精神の持ち主なら有り得ないと断言出来ます。 しかし・・それありきの物語である以上「誇張表現」だと思って納得 するしかないのが残念な所です。 とある人物・・いくらなんでも体頑丈すぎ。サイボーグかいな。 さらに別の人物・・首鍛えてありすぎ。いつまでやってんだと思って しまった。 正直色々ぶっ飛んだ設定ではありましたが、全体を通しての「面白さ」 にはほとんど影響しないので、これからご覧になる方はご安心下さい。 鑑賞後の満足度は非常に高いです。 お奨めします。

閲覧数6,973