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たかが世界の終わり (2016)

JUSTE LA FIN DU MONDE/IT'S ONLY THE END OF THE WORLD

監督
グザヴィエ・ドラン
  • みたいムービー 239
  • みたログ 842

3.08 / 評価:601件

どこまで人の心を理解できるかが勝負!

  • koy******** さん
  • 2020年6月27日 14時10分
  • 閲覧数 435
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

言葉の端々や表情から読解する力により評価が大きく分かれる作品なんだよ。よってカンヌのグランプリも頷ける。

主人公のルイはゲイである。そして(おそらくはAIDSで)自分はもうすぐ死ぬことがわかっている。ルイは、そのことを家族に直接伝えるために12年振りに帰省することにした。
家族は、ルイがゲイであることを知っている。そして、今やイケメン劇作家として成功している美しいルイのことを愛している。明るいけど自分勝手になりがちな母と、粗野で皮肉屋の兄、幼い頃から会っていないこともあってルイに憧れている妹。そして、初対面の控え目な兄嫁。彼等はルイを歓待するが、皮肉屋の兄のために小さな衝突が度々起き、ギスギスした雰囲気に。しかしその雰囲気は兄のためばかりではない。彼等は思っているのだ。そして、恐れている。何故、ルイが12年振りに帰ってきたのか?

自分が帰ってきた理由をなかなか言い出せないルイ。そのまま、映画はクライマックスを迎える。

この映画はオープニングからずっと暗いトーンで描かれてきたが、ここでのドラマがいきなり熱いんだ。俺は泣いたよ。

ルイが何か言いかけたとき、兄はその弟を「お前は帰るんだったな、俺が送ってやる」と強引に家から追い出そうとするんだよ。理由を言い出せないルイもまたその言葉に乗って帰ろうとする。慌てて引き止める妹と母。ルイは、話したい気持ちとこのまま帰りたい気持ちが拮抗しているので、どっち付かずの態度になってしまう。

いや、ルイは家族のことなんて本当はどうでもいい奴なんだ。彼は家族の誕生日には毎年絵葉書を送ってくるんだけど、何故絵葉書なのか。それは、手紙に書くことがないからだ。そのことは妹ですらも見抜いているから、家族は皆同様に思っている。だけど、皆取ってあるんだよ、その絵葉書を。粗野で皮肉屋の兄貴でさえも。いかん、書いていてまた涙が。

何故ラストシーンで兄がルイを追い返そうとしたのか。その直前に兄とルイは2人きりで喧嘩をしている(一方的に兄がキレただけなんだけど)けど、これはミスリード。兄貴はね、わかってるんだよ。弟が何をしに12年振りに帰ってきたのか。それをさせてしまえば、何かが決定的に壊れてしまうのを知っているんだよ。それが12年間家族を護ってきた兄貴なんだ。しかしこの期に及んでもルイは態度が曖昧で、さっき乗ったばかりの兄の言葉を今度は拒絶する。母と妹との罵りあいのために激昂していた兄は、ルイを思わず殴りつけようとする。このとき、兄の拳が大写しになる。近所の工場で工具を作っていて、扱い憎い奴だという評判の兄の、傷だらけの拳が。

兄貴を演じるのはヴァンサン・カッセル。凄くいい。粗野で下品で皮肉屋で、でも誰よりも弟のことを愛している兄貴という役柄を、見事に演じきっている。

ラストの鳩時計は、ちょっと意味がわからない(*´∀`*)けど、暗くて熱いドラマがたいへん良かった。

満点にしていないのは、人を選びまくる映画だから。ずーーーーーーっと暗いもん(*´∀`*)

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 切ない
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