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ゴースト・イン・ザ・シェル (2017)

GHOST IN THE SHELL

監督
ルパート・サンダーズ
  • みたいムービー 856
  • みたログ 3,714

3.35 / 評価:3,016件

しっかりと愛が宿った作品

  • bum***** さん
  • 2017年3月18日 4時50分
  • 閲覧数 7051
  • 役立ち度 102
    • 総合評価
    • ★★★★★

追記 4/7

ワールドプレミアにて鑑賞しました。

攻殼機動隊は押井監督の攻殼機動隊/ゴースト・イン・ザ・シェル、イノセンス
神山監督のTVシリーズ攻殼機動隊SAC
冲方監督のARISE
と観てきましたがそれぞれがパラレルワールドですので本作品もハリウッド独自の攻殼機動隊を楽しみにしていました。

もともと押井監督が攻殼機動隊/ゴーストインザシェルでアニメとは思えない哲学的なストーリーやスラム街のような貧困の街を土台にした高層ビル、画期的な電脳や義体を徹底的に描きマニアの間で有名になりましたが国内ではヒットとならず知名度もあまり高くありませんでした。しかしいまでは海外でジブリやAKIRA以上に有名な作品で知られています。

神格化された攻殼機動隊がハリウッドで実写化という話は数年前から何度も立ち上がり頓挫し、立ち上がりの繰り返しでした。
1度スピルバーグ監督の名がでたときもありましたがその企画も倒れています。
ここ数年でポンポンと攻殼機動隊の大ファンであるルパート・サンダース監督に決まり撮影もスムーズだったようです。

スノーホワイトの大ヒットもあり、スピルバーグからの直接指名により監督にありつけたようで本作には並々ならぬ覚悟があったと思います。

感想としてなにより声を大にして言いたいのが主人公の少佐を演じるスカーレット・ヨハンソン。恐ろしいほどのハマり役でした。
スクリーンに少佐がいるだけで圧倒的なオーラがあり、スカヨハが黒髪でタンクトップを着てるだけなのに少佐にしっかりみえるのも驚きました。彼女が演じてくれているだけでハリウッドで撮った価値があると思います。

ハリウッド版の少佐として雰囲気は押井版の草薙素子、設定はハリウッドオリジナル要素とバランスが良くしっかりと存在感を持たせることに成功していました。
菊池凛子やミズノ・ソノヤのほうが少佐役に適しているという声を聞きますが本編を見た後だとスカーレット・ヨハンソンで大正解だったと思います。

ホンダのバイクに乗り疾走する姿はミラ・ジョボビッチ以上に似合っていてカッコよかったです。

予告では少佐が草薙素子と別人であったり少佐の復讐劇になる設定改変が批判されいましたが本編を観てみるとこういったアプローチ、捉え方があるのかと驚きました。
本作の改変は非常に上手くいっていると感じます。

押井版の人間としてのアイデンティティの在処や複雑なストーリー構成などと比べると、ストーリー自体は浅く誰にでもわかりやくなってはいますが、決して復讐劇などではなく主人公がゴーストの囁きに導かれて戦いに身を投じていく展開になっています。
これは押井版の難解さをわかりやすくしハリウッドならではの解釈をいれファンを驚かすストーリー展開に仕上がっていると感じました。

ラストについては様々な意見があるようですが、私はこのラスト以外ないと思います

というのも押井版のネット=情報の世界に融合するというのは同じスカーレット・ヨハンソン主演の映画ルーシーにてやってしまっています。

情報や時間さえも超越した人は、人である必要はないというルーシーとは違い、広大なネット=情報をさ迷ってもゴーストが少佐を人間の世界に呼び止めるといった内容は、真逆のメッセージです。

それを象徴するのがまさにラストカット。

ネットに融合した押井版の草薙素子ではなく
ネットに融合しなかった神山版の草薙素子の完全再現シーンにて映画は終わります。劇場で見た時は涙が出そうになるほどの再現でした。
全編押井版のリスペクトをしながらもラストは神山版の人間賛歌へとシフトする内容は非常に考えられていると思いました。

さらにSACのような未来刑事的シーンやARISEのような衣装などファンがビジュアル的に楽しめるシーンが山ほどあります。
高層ビルや廃墟、落下する少佐、光学迷彩、音楽などかなりアニメに寄せているためよくあるお金の掛かったSF映画ではなく攻殼の世界をしっかりと作ったと感じさせてくれる映像に仕上がっていました。

少し難点をあげると荒巻の銃撃シーンが批判を浴びてましたがルパート・サンダース監督が北野映画のファンであり、ビートたけしの暴力的なシーンを入れたいとのことで銃撃戦を撮ったようです。しかし本編でも違和感は拭えませんでした。

ハリウッドとしてヒットさせるために限りがあるなか映像的にもストーリー的にもアニメに寄せるところはトコトン寄せるというリスペクト愛を感じましたしやっとハリウッドの攻殼機動隊が見ることができて本当に満足かつ幸せでした。

マニアにしか受けない攻殼機動隊を万人向けに作り直し、ファンにもしっかりとしたサービスを用意してくれたキャスト、スタッフ、そしてスカーレット・ヨハンソンにありがとうと言いたいです。

詳細評価

物語
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