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ゴースト・イン・ザ・シェル (2017)

GHOST IN THE SHELL

監督
ルパート・サンダーズ
  • みたいムービー 804
  • みたログ 4,770

3.24 / 評価:3,879件

オマージュだけじゃ映画にはならん

  • tfj***** さん
  • 2019年2月25日 22時08分
  • 閲覧数 847
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

非常に惜しい。

豪華に金をかけたゴージャスで退廃的な映像美、注目を引くような配役陣、そして日本のアニメーションへの惜しみないオマージュ。

でも、申し訳ないがそれらを組み合わせればいい映画ができるかってえとそんなことはないってことをものの見事に証明しちゃった。

ともかく、映像は100点満点だが、それ以外にはこれといって見どころはない。

スカヨハは、議論はあっただろうが、あれだけ体をシェイプして、演技としても非常に頑張っているのが見て取れる。あの透明感といい、ともすると年増に見える白人女優さんの中から選ぶならベストの選択肢というほかなかっただろう。

だが、たけしがまんま日本語で演技してるのを見て、ああこの監督はただ単に日本映画好きで、アウトレイジばりにたけしが無造作に拳銃をぶっ放すのを見たかっただけじゃないかと興ざめしてしまった。

桃井かおりの起用にしても、その演技自体は絶品だと思うのだが、白人のミラ(素子)の本当の母親がこの人ってのも無理すぎ。たとえ全身サイボーグ化というプロセスが間にあったにしても。だって、あの英語のしゃべり方だったら、家庭では絶対日本語しゃべってそうだもん。ミラ(素子)が突然日本語の単語を思い出す、とかそういうギミックがあればともかくねえー。。

なにしろ、このようにして面白くて絵になる演技とか各要素を、つまみ食い的にひたすらつなぎあわせたって、面白い映画になるわけではないんよ!

また、ゴースト第一作とイノセンスへのオマージュが各所にあふれている。音楽も、あんな西洋人にしてみたらわけのわからないエンディングテーマを採用するのは勇気がいったろう。それはそれでいい。

だがストーリー自体が全然別物なので、それらの熱いオマージュもなにか違和感を禁じ得ないんだよね。だって原作で「人形遣い」の役どころの「クゼ」が実はミラ(素子)の記憶を失う前の元恋人だったとか、テロへの憎しみを募らせるためテロで両親が殺されたという偽の記憶を植え付けられた、とか、もう原作の謎めいたテイストは一切かなぐり捨てて「わかりやすい」路線まっしぐら。

そいでエンディングは「やっぱりワタシは正義の味方として生きていくワ」て、あれだけ人間の闇をみせつけた映画の終わり方がこれって、どんだけだよ・・・・。もっとほかになにかないの?と思ってしまう。

そうするならそうするでいい。でも、それなら中途半端なことはせず、もっと考え抜いて、原作に「インスパイア」された形でのルパートさんなりのゴーストを作り上げればよかったんじゃないの?オリジナリティがないの?という批判さえ脳裏に浮かんでしまうよ。これじゃあ。

あと、文句ついでに言うと、せっかくミラ(素子)が全身フルサイボーグという設定なのだから、アクションシーンに新味が欲しかった。ハッキリいって壁を蹴って立ち回るアクションなんてバイオハザードやなんかでとっくにやってるのだから、超人的な格闘シーンとかもっと見せられなかったのかね。運動神経のいい女性スパイという域をほとんど出ていない気がする。サイボーグならではの戦いって、最後の多脚砲台との戦闘シーンだけ。

思うにこの映画が向かうべき方向は、他に2つあったんじゃないかって気がする。

菊池凛子とか、名のしれた実力のあるアジア人女性を主役に抜擢して徹底的に原作アニメ映画に寄せるか、

それとも、スカヨハだけでなく周りもまるごとごっそりと白人(あるいは有色人種にしても、アメリカ人)にして、ストーリーも中途半端でなく徹底的に換骨奪胎してそれなりに整合性をとるか。

とにかく、映像として面白いというだけで、まとまりがないというか、各要素が解離してしまった、非常に惜しい出来の映画になってしまったと思う。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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