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人生タクシー (2015)

TAXI

監督
ジャファル・パナヒ
  • みたいムービー 95
  • みたログ 271

3.53 / 評価:200件

映画は、静かに、人の心に革命を起こす。

  • sou***** さん
  • 2019年12月3日 10時28分
  • 閲覧数 149
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジャファル・パナヒ監督がタクシードライバーになって、いろんな乗客を乗せ…という設定。
実際に、本物の乗客を乗せたのか…キャスティングなのか…?

いずれにせよ、映画監督業を停止しなければならない処分を受けている最中に、この映画が作られたのだろう…。
と、彼の事を知らなかった僕でも理解出来た。

この映画が教えてくれる事がいくつかある。

ライトなところで言えば、テヘランって結構都会。
中東の事情に詳しくないので、テヘラン近郊の映像を目にする時は、荒廃した戦場の街ばかり。インディアン嘘つかないレベルの知識である自分が恥ずかしい。

交通事情は、結構なカオス状態。
交通秩序が無茶苦茶だ。まあ、日本がちゃんとし過ぎなのか…?とりあえず、どこからでもタクシーに乗降する。車線も信号も関係ない。
タクシーそのものが事情が違い過ぎ。乗合方式で、1組の乗客を乗せてる間にも、次の乗客を乗せて良いのだ!このシステムは驚きだ。目的地手間で「君は、ここで降りてくれ」がオッケー。見ず知らずの乗客同士が口論しちゃうし…乗客同士が譲り合い、乗合った相手の目的地が逆方向でも優先し合ったり…。

乗客との会話や、乗客の行動、監督自身、彼らの所作の全てから、テヘランの事情が浮かび上がり…内容はヘビーになってくる。

その点で、序盤に記述したように、キャスティングの線が浮かぶのだ。
ライトに人びとの生活を描きつつ、訴訟問題を抱えた人を描き、表現の自由が担保されていない事情へ物語は展開。姪の学校の授業の映画撮影の課題から、表現技法が制限されている環境へ切り込む。最後は、女性弁護士を乗せて、どのように社会で生きて行くか語る…。

うん、狙っているよね。
明らかに、意図して作っている。

映画で何かを表現して、問題提起をしていくことは、思想の根本にリベラルな部分があるのだろう。殊更、閉鎖的で抑圧的な社会において、その行動はリベラルとカテゴライズされるものだろう。
何だろうね?ただ、思うがままに表現したいだけって事もあるのだけれど…。

こんな映画に出会うと、日本って幸せなんだろうなぁ…何て思う。
でも、彼らが不幸だとカテゴライズする気もない。結局のところ、どのように人生を歩むか、選択の余地がある限り、なんらかの努力の可能性が残されているのだから。
むしろ、目的もなく、ただ流されるだけの人生を生きるよりも、困難ではあるが意義はある。

僕は、彼の映画に出会えて嬉しかった。クリエイターの魂に触れる事が出来たから。
ただの、商業映画で、お金を生み出す事だけが目的の消費されて行くだけの作品に比べると、予算は殆どかけずに小さくとも力強いエネルギーを見せるこの映画の方が、何百倍も価値がある。

この映画に登場する、とっても可愛くて利発的な少女ハナのように、純粋な疑問と視点を大事にしたいよね…なんて思う。

こんな映画に出会うと、まだまだ映画好きは辞めれないと感じるんだよなぁ!

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