3.0点
まず、ほかのレビューも少し見たが、 こういう映画を見て「つまらない」と書くような連中は、 子供のころから一貫してCG満載の中身のない娯楽作しか見てないのだろう。 そういう連中は、まず歴史の史実を基にした映画を見るべきではない。 そもそも現実とはつまらない取るに足らない出来事の日々の積み重ねであり、 それが一般人の物であろうが有名人の物であろうが、 さほど大きくは違わないものだ。 歴史の史実を基にした映画というのは、いかに起こったことをありのままに リアルに描くかどうかが問われているわけで、 現実というものが、すでに書いた通り、ドラマチックな有名人の生活でも 「つまらないものの積み重ね」である以上、劇的に面白くなりようがない。 そういう取るに足らない一つ一つの品性の日々の事実の積み重ねの 描写の中に何を見出すか、それが全てだ。 見るものが自分で考える、そういうことができないのであれば、 この手の映画に「面白み」など感じることは絶対できないだろう。 それは本を読むのと同じこと。 良質な歴史映画、芸術映画というのは、チープなプラスチックで派手に彩られた トイボックスのようなお子ちゃま向けのヒーロー映画などとは違い、 文字を一つ一つじっくり読んで考えて味わう本のようなものなのだ。 申し訳ないが、そういう映画ジャンルは見るものを選ぶ。 本に向いてない人間は、見ずに黙って表紙を閉じるべきで、 ここで無意味な評論をすべきではない。 さて、しかし題材となったジャクリーンというのは 「ケネディ夫人」という以外、一人の人間としては 特に才能に恵まれたわけでもなく、特筆すべきポジティブな特徴も あまりない人物である。 脚光を浴びたケネディ大統領の死と人生の影を描くようなもので、 長尺の映画として形にするのは恐らく難しかったのではないかと思う。 うまいこと形になってはいるが、映画の題材としては正直失敗だと思う。 演じているのはナタリー・ポートマンで、 彼女の演技は最高だが、正直いって、全く似てない。 素がだいぶ違うので、全体的に頑張っているとは思うが、 似てないものは似てないし、人物が有名であればあるほど、 顔が似ているかどうかはかなり重要だ。 特に服装と髪型以外、しぐさや人格の特長がない人物なので、なおさらである。 かといって、ジャクリーンに似た顔の女優というのも思いつかないのも、事実。 やはり、結論から言って、映画にすべき題材ではなかったのだと思う。