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ファング一家の奇想天外な秘密

shi********

4.0

真の芸術とは何か?

監督が考える芸術、「芸術とはこうあるべきだ!」という主張を観る側の思いや考えは関係無しに力づくで押し付けてくる映画。 確かに言いたいことであろうことは分かる…。 あらゆる影響のもとにある状況から抜け出せなければ、オリジナルと言える新しい何かも生み出すことは出来ないし、全ては誰かの二番煎じまたはモノマネでしかないし、人の感情を揺さぶることは出来ないだろう…。 しかし、人という生き物の感情や感性は千差万別であり、その各々の価値観に沿った芸術観があって然るべきだし、ましてや想像をこえた意外性や驚き、自分の感情をコントロール出来ない中に価値を見出すことだけを評価するのは真の芸術という意味でどうなのだろう? 喜怒哀楽の中にもそれぞれ芸術と言えるものもあるだろうし、動ばかりじゃなく静の中にも芸術と言えるものもあるだろう。 また、意外性のあるものばかりじゃなくいつもあるような日常の中にも感情が揺さぶられる何かがあることもある…。 芸術を志す者が、「芸術とは、こうあるべきだ!」と肯定してしまった段階で、自分の価値観にそぐわないあらゆる芸術といえるものや芸術的な要素を受け入れられない存在になってしまうのではないか? まるで自分で自分の能力や感性を縛り付けてしまうようで、映画を作る側の人、この監督のことがなんだか可哀想に思えてくる…。 真の芸術を求めるのならもっと小さな子供の頃のような感性、無防備な感性や感覚や感情が一番大切なように思うのだが…。

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