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家族はつらいよ2 (2017)

監督
山田洋次
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  • みたログ 1,554

3.60 / 評価:1160件

死ぬまで働けと言うのか。この国は。

  • たーちゃん さん
  • 2021年4月8日 9時28分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

今回のお話の中心は父 平田周造(橋爪功)の高齢者運転者の免許問題と周造の高校時代の旧友 丸田吟平(小林稔侍)の死がテーマになっています。

前作でもそうでしたが、脚本がとてもうまいです。日常の中の家庭での気遣いが気に入らない父。父の身体を気遣う家族たち。それを頑固な父親を感情的にする事によって、セリフが対立的になる事により、平穏な生活の中でもドラマ性を感じて見ることができました。
高齢者運転という社会問題をどの家庭でもあり得るようなやり取りで見せているのは、さすがです。どこかで人身事故をおこすのでは、とヒヤヒヤしながら拝見しましたが、それはなく結果は最後まで出さないで終わりました。きっとこれが現実なのでしょう。この映画を見た高齢者がただ笑うのではなく、自分のこととしてとらえて一人でも免許返納をしてもらえればと思います。教育映画的になってしまうかもしれませんが、ここをもっと掘り下げて免許返納したあとの生活なども描いてもらえたらと思いました。

もう一つの老人の孤独死の問題。平田家とは違って、一人暮らしをしなければならない丸田吟平(小林稔侍)のような方は多いのではと思います。かくいう私も現在は家族がいますが、両親は80代後半、私も50代後半、50代前半の弟もいますが、私も弟も独身です。弟とも兄弟仲は悪く、両親がいなくなればお互いに同居する事はないでしょう。という事はいずれは一人暮らしの生活が10年以内には起こりえる現実で、そうなれば孤独死もあり得ないことではありません。
貧乏サラリーマンなので、70歳すぎても働かなければならなくなるでしょう。丸田氏のように、若い頃は華やかに過ごしていて、最後には孤独死。丸山は学生時代のマドンナと結婚していました。連帯保証人になって自分の事業も失敗して、自業自得といってしまえばそれまでですが、周造が言います。
「あいつが葬儀屋のたった一人の係員に見送られて、あの世に旅立つなんてあまりにも哀れでな。いったいあいつがどんな悪い事をしたと言うんだ。事業に失敗した。借金をしょい込んだ。だまされて連帯保証人になった。それが一人きりであの世に旅立たなければいけないほどの罪なのか。税金だって納めたし、事業で雇用を生み出した事もあるんだぞ。なんで、あいつが。70を越えた老人が、カンカン照りの中で汗かきかき、赤い棒を振り回さなきゃならないんだ。死ぬまで働けと言うのか。この国は」
結果、平田家のみんなは時間をやりくりをして火葬場に参列する事になります。

この火葬場のシーンがかなりリアルに描かれています。本当の火葬場で棺に入っている小林稔侍さんの見事な死体役。棺の中に丸田が好きだった銀杏の実を沢山入れるところの様は本当に死んでいるようです。棺が炉に入れるところや火が回るところなど、カメラを中に入れてそこまで写すというところまで、描いています。人って空しいなと思わせます。その時に銀杏が焼ける事で弾けて、音が出て焼き場のスタッフ(笑福亭鶴瓶)が出てきます。この辺りは喜劇的につくっているのですが、私には笑えませんでした。

詳細評価

物語
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