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グレートウォール (2016)

長城/THE GREAT WALL

監督
チャン・イーモウ
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3.39 / 評価:1,437件

解説

世界的な建造物である万里の長城を題材にしたアクション。その建造に秘められた目的と戦いを、壮大なスケールで活写する。メガホンを取るのは『上海ルージュ』『HERO』などのチャン・イーモウ。『ボーン』シリーズなどのマット・デイモン、『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』などのウィレム・デフォー、香港のスター、アンディ・ラウらが結集。国際色あふれるキャストが織り成すストーリーに引き込まれる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

世界を旅するウィリアム(マット・デイモン)ら二十数名の傭兵部隊は、シルクロードの中国国境付近で馬賊に攻撃された上に謎の獣に襲われる。生き残ったウィリアムとトバール(ペドロ・パスカル)は、禁軍が守る万里の長城にたどり着くものの降伏を余儀なくされる。戦略を担うワン(アンディ・ラウ)によって処刑を免れたのち、自分たちを襲った獣が饕餮(とうてつ)という怪物であり、万里の長城がその群れを都に入れないための防壁だと知るウィリアムとトバール。やがてすさまじい地響きと共に無数の獣が迫ってきた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Universal Pictures
(C)Universal Pictures

「グレートウォール」これぞイーモウ!自由奔放なイマジネーションが解放された異形のスペクタクル巨編

 世界遺産“万里の長城”を守る精鋭軍と凶暴モンスター軍団が激突! こんなホラ話を壮大なスケールで映像化したのが本作。「GODZILLA ゴジラ」「キングコング 髑髏島の巨神」のレジェンダリーピクチャーズ作品であり、脚本に関わったのはボーン・シリーズのトニー・ギルロイや「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックらそうそうたる面子。そして中国の巨匠チャン・イーモウのハリウッド進出作でもある。

 随分昔の話だが、来日したイーモウにハリウッド進出について質問したことがある。「先輩格のチェン・カイコーが『キリング・ミー・ソフトリー』を撮ったように、あなたにもハリウッドからオファーが来るでしょう?」。イーモウは静かに笑って言った。「僕はまったく英語がダメなんです。英語が上手いカイコーの作品があんな結果に終わってしまったのに、僕がハリウッドに行っても大惨事にしかなりませんよ」

 しかし10数年が経ち、さらに巨匠度を増したイーモウがついにがっぷりハリウッドと組んだのだ。その結果が“惨事”かどうかは観た人が評価することだが、先のアカデミー賞授賞式でマット・デイモンが本作に主演したことを散々いじられるなど、ハリウッドでは珍品扱いされてしまっている模様。しかし昨年の「キング・オブ・エジプト」のような愛すべき底抜け超大作を望む人にとって「グレートウォール」は素晴らしいご馳走なのである。

 なにが素晴らしいって、長城を守る精鋭部隊のビジュアルが素晴らしい。専門ごとに赤青黄とカラフルに色分けされた兵士たちのデザインはまるで黒澤明の「乱」ーーというより戦隊モノのノリ。しかも美女だけで構成されたバンジージャンプ部隊がいて、弓の名手のマット・デイモンがバンジーの手ほどきを受けるシーンまである。こんなヘンテコな映画、滅多に観られないでしょう!

 決してイーモウがふざけてるわけではない。イーモウは文芸作のイメージが強いが、「紅いコーリャン」でも「HERO」でも「女と銃と荒野の麺屋」でもブッ飛んだ面白ビジュアルに心血を注いできた。今回はストーリー面の主導権はレジェンダリーサイドにあったはずで、だからこそイーモウは自由奔放なイマジネーションを好き放題に解き放っているのだろう。

 VFXが多用されるシーンになるとイーモウらしさが減じるきらいはあるが、「これぞイーモウ!」な壮麗かつ愉快なアクションを満載した怪作・快作として確かな爪痕を残す、異形のスペクタクル巨編なのである。(村山章)

映画.com(外部リンク)

2017年4月13日 更新

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