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ラビング 愛という名前のふたり (2016)

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監督
ジェフ・ニコルズ
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3.71 / 評価:311件

解説

異人種間における結婚を禁止した法律が変わるきっかけとなった夫妻の実話を基にした純愛ストーリー。アメリカで当時違法の州もあった異人種間結婚によって逮捕された二人が、故郷で家族と暮らすため理不尽な法律に立ち向かう。夫妻に、『ブラック・スキャンダル』などのジョエル・エドガートンと『プルートで朝食を』などのルース・ネッガがふんする。二人の実話に心を打たれたというオスカー俳優コリン・ファースが製作に参加し、『MUD マッド』などのジェフ・ニコルズがメガホンを取る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1958年、大工のリチャード・ラビング(ジョエル・エドガートン)は、恋人の黒人女性ミルドレッド(ルース・ネッガ)の妊娠をきっかけに結婚を申し込むが、当時バージニア州では異人種間の結婚は違法とされていた。二人は法律で許されるワシントンD.C.で結婚し、地元で新婚生活をスタートさせるが、突然夜中に保安官が現れ逮捕されてしまう。彼らは離婚するか生まれ故郷を捨てるかという耐え難い選択を迫られ……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.
(C)2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.

「ラビング 愛という名前のふたり」この歴史を変えた夫婦愛は、シンプルゆえに澄みわたり深く胸を打つ

 この数カ月間、テレビをつければ愛の欠片もない大統領の姿ばかりで、アメリカという国の素晴らしさなどすっかり忘却していた。かくも時代や価値観が愚かに変容する中で、本作の存在はまさに救いそのものだ。これは歴史に名を刻んだ愛の物語。神様はきっと彼らがたどる運命を最初から見通していたのだろう。主人公夫婦の名前は愛、つまりラビング夫妻という。

 時は1958年、米バージニア州ではまだ異人種間の結婚が法律で禁じられていた。リチャード(ジョエル・エドガートン)は恋人ミルドレッド(ルース・ネッガ)の妊娠を機に生涯を共にすることを決意。二人はわざわざワシントンDCまで足を運んで正式に結婚を果たす。しかし地元に戻ると保安官に逮捕され留置所へ。たとえ州外で結婚しても、彼らが州内で夫婦生活を送ることは違法にあたるというのだ。選ぶべき選択は二つ。離婚か、州外退去か????。

 ラビング夫妻は何かを声高に訴えたり、絶望の淵で泣きわめくような真似はしない。自分たちが置かれた状況を粛々と受け止め、限られた選択肢の中で実直に愛を育もうとする。そんな二人を演じる俳優がどちらも本当に素晴らしい。やや不器用ながらも家族を守らねばと健気な気負いを見せるエドガートン。そんな夫を澄み切った瞳でまっすぐ見つめ、その胸に抱きしめるネッガ。口数は多くなくても、わずかに触れ合い、わずかに微笑み合うだけで、そこに流れる空気が特別なものに変わっていく。これほどの演技を生み出すのに一体どれほどの心血が注がれたことだろう。二人の存在なくしてこの映画はありえなかった。

 州外での暮らしも5年を過ぎた頃、ミルドレッドの「故郷へ戻りたい」という思いは一通の手紙となってケネディ司法長官のもとに届く。幾つかのリレーを経て、歴史はいよいよ動いていくのだ。だが公民権運動に沸いた激動の60年代においてもラビング夫妻の基本的な姿勢は変わらない。愛する家族と一緒にいたい、ただそう願い続けるだけ。そんなごく普通の夫婦によるシンプルな愛の物語だからこそ、私たちはこれほど深く魅了され、彼らを慈しまずにいられないのだろう。久々に人間の正の側面が伝播していく光景に出会えた気がした。観ている側にも穏やかな愛が、やさしく広がっていく名作である。(牛津厚信)

映画.com(外部リンク)

2017年2月23日 更新

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