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上映中

ハクソー・リッジ (2016)

HACKSAW RIDGE

監督
メル・ギブソン
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4.02 / 評価:3472件

解説

俳優として数々の話題作に出演し、監督としては『ブレイブハート』でオスカーも手にしたメル・ギブソンがメガホンを取って放つ感動作。第2次世界大戦中に銃を持たずに戦地入りし、多くの負傷した兵士を救った実在の人物をモデルに奇跡の逸話を描く。主人公を『沈黙 -サイレンス-』などのアンドリュー・ガーフィールドが熱演。自身の信念に基づき、勇気ある行動をとった兵士の物語が胸を打つ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

第2次世界大戦中、デズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺してはいけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議にかけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力により、デズモンドは武器の携行なしに戦場に向かうことを許可され……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016
(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016

「ハクソー・リッジ」信仰とは、信念とは。そしてそれを描くべき舞台が、日本だったということの意味

 ヴァージニアでの少年時代、誤って兄を煉瓦で殴打してしまった少年は、その時、自宅の壁に貼られた“汝、殺すなかれ”という神の教えを幼心に刻みつける。後に第2次世界大戦の沖縄戦線に衛生兵として従軍し、武器を持たずに人命救助に徹した実在の兵士、デスモンド・ドスの偉業のルーツである。

 信仰とはかくも強靱なのかと思う。何しろ、“ハクソー・リッジ(ノコギリ崖)”と呼ばれる断崖の先に広がる高地での攻防戦では、物量で勝るはずの米軍が、其処此処に掘った塹壕に身を潜めて奇襲を仕掛ける日本軍相手に、絶望的にも思える持久戦を強いられる。火薬の煙が周囲に充満し、地面には体内から飛び出た臓物が転がる中、ドスは、被弾し傷ついた兵士たちにモルヒネを投与し、担架に乗せて高地と崖の間を頻繁に往復するのだ。

 メル・ギブソン監督は信仰を描くために、あえて戦場の悲惨を過剰に演出したのかも知れない。終わりのない救援作業に疲弊し切ったドスは、ある瞬間、神に向かって「我は何をすべきか?」と問いかける。そして、もう1人、後もう1人と、渾身の力を振り絞って救出を続けた結果、最終的に彼が救った兵士の数は75名にも及んだ。果たしてそれは、信仰がもたらした結果だったのだろうか。

 実は、75名の中に2名の日本人兵士がいた。ドスは人を殺すのではなく、人を助けるために衛生兵を志願したのであり、助ける対象を区別しなかった。区別することは、信仰以前に、人としての信念を放棄することに均しかったからだ。「信念を曲げたら生きていけない」とは、劇中のドスの台詞である。

 偶然か否か、アンドリュー・ガーフィールドが主演する先行の「沈黙 サイレンス 」と、それから遅れること5カ月後に公開される本作「ハクソー・リッジ」は、同じ日本を舞台に信仰と戦争について深く言及している。そこで描かれる事柄は、我々日本人にとって決して心地よいものばかりではないけれど、カオスの時代を生きる人々の重要な道しるべとなる区別(または差別)と信念を描くべき舞台が、ここ日本だったということ。それはもしかして、何らかの教えなのかも知れない。(清藤秀人)

映画.com(外部リンク)

2017年6月15日 更新

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