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マンチェスター・バイ・ザ・シー
2017年5月13日公開

マンチェスター・バイ・ザ・シー

MANCHESTER BY THE SEA

1372017年5月13日公開

hik********

4.0

海辺の町で、寄り添って。

まるで邦画のような、名匠・小津安二郎作品のような洋画だった。 あの終わり方には意表を突かれた。あれを良い終わり方と取るか、悪い終わり方と取るか、賛否が分かれてもやむを得ないかもしれない。 所謂、安易なめでたしめでたし的な終わり方にしていないが、そこが絶妙だった。 救いが無い、つまらない、と言う人もいるが、私は違うと思う。 確かに救いは訪れなかった。しかし、救いへ向けての、その一歩を“踏み出しかけた"ような終わり方に思えた。 そして、その後の物語は観客に委ねるような、そんな絶妙な余韻を残しているように思えた。 ケネス・ロナーガンの精緻な演出も相まって、絶妙な脚本だと思う。アカデミー賞では、見事、脚本賞に輝いたのも頷ける。 特にボールを投げ合って遊ぶシーンが素晴らしかった。 キャストも素晴らしかった。 見事、主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックの抑えた演技ははまり役だったし、ミシェル・ウィリアムズの繊細な演技も良かった。 そしてルーカス・ヘッジスは、今やハリウッドの未来を担う若手スターとなっている。 あんなに優しいラストシーンの映画はそうは無い。 海辺の静かな町、マンチェスターで、主人公の傷ついた心に、観客もそっと寄り添う。 静かに、やさしく。

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