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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ
2017年5月13日公開

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ

1082017年5月13日公開

kaz********

4.0

頑張っていればきっといいことがある

随所にカッコいい詩が散りばめられていると思ったら、原作は最果タヒの詩集だった。  看護師の美香は常態化した臨終で患者を見送る。一方でガールズバーでアルバイトもやっている。慎二は工事現場の日雇い労働者。左目がどうも見えないらしい。岩下、智之、アンドレスが仲間だ。ガールズバーで美香に名刺をもらった智之は仕事中に突然脳梗塞で死ぬ。電車が事故で止まったせいで駅から歩くことになった慎二は美香と一緒になる。慎二も仕事中に腕を怪我して病院に行くとそこでまた美香に会う。田舎に帰省した美香は父に母の亡くなった原因を訊くと『病気』の答え。美香は自殺を疑っている。慎二はいつも本を貸してくれるアパートの老人の死も経験する。二人は常に『死』と隣り合わせみたいだ。そうした二人が親しくなり距離を縮めていって・・・・・・・。  とても爽やかな作品だ。美香は牧田という元カレにふられ愛に懐疑的になっている。それは「『出会い』というのは男と女がくっついたり離れたりすることだ」などのセリフに見える。慎二も級友の女性から『なぜ工事現場で働いているの』と聞かれ、『それくらいが丁度いいから』と自ら壁を作っているところがある。それを越えたのが、『会いたい』と慎二が走って美香の住む宿舎に行った時、美香は『女子寮だから』と断ってあくる朝カーテンを開けると、外に慎二が座っているというシーンだ。  そして、この映画のキーポイントとなるのは、何度か登場するストリート・ミュージシャンのRyokoだ。誰も聴いてない、見向きもしない歌を懸命に歌っている。それが最後に・・・・・・。明日に希望を持たせる清々しい作品となった。

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