あらすじ・解説
ルーマニアのブカレストにあるコンサルタント会社勤務の女性イネス。仕事ばかりの忙しい毎日を送っている娘が心配でならない父親のヴィンフリートは、ブカレストを訪れる。悪ふざけが大好きな彼と折り合いの悪い彼女は、やむなく数日間一緒に過ごすことに。やっと父親が帰国してホッと一息つくイネスだったが、トニ・エルドマンという別人に成り切った彼が再びやって来る。父の真意がわからず、イネスは混乱するが……。
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予告編・動画
作品レビュー(57件)
- non********
2.0点
ユーモアを忘れないこと大事だけど、あれはユーモア? 本当は感動ポイントなんだろうけど、恐ろしく感じた。 だって、アシスタントの女性は逆らえないじゃない。 彼女は一生懸命に、命じられるままに私的な雑用をこなしているけど。 それは上司に気に入られ、いつか内容のある仕事をしたいためでしょうに。 それに、あんな状況でほっとかれたら、レイプ被害者になってもおかしくないでしょ! ワーカーホリックの娘、仕事の重圧、多忙、に人間的な心を忘れている。 それを不器用に思いやる父親。 それを感じ取って観賞するべき映画なんだろうけど。 ワーカーホリックの娘に、振り回される人たちを癒す内容は、どこに表現されているの? それが気になって仕方ありませんでした。 いくら仕事が大変でも、クレーマーになったり、弱い立場の人間に無茶ぶりしたり、笑えないセクハラしたり。 感動より不快感が大きい映画でした。
- oce********
4.0点
父親が飼い犬の死によってショックを受け、愛する娘の職場へ突然現れる。 困惑する娘はどうにかやり繰りして切り抜けるが、今度は父親がカツラと入れ歯をつけ自分はトニ・エルドマンとして再び姿を現す。 どこの国も父親の娘に対する愛情は変わりない。 それが子供の時であろうとも、大人になってからもというパターン。 トニ・エルドマンが現れての会話は更にお互い噛み合わない展開。 これがアメリカ映画なら大袈裟になるのだろうが、ヨーロッパ映画はここが違う。 全くリアクション出来ずにやり過ごすという気まずい時間が流れる。 変装をする父親だからといって、それが愛情の変化球であり、この父にこの娘ありという終盤。 誕生日会のあれは父親にも負けていないし、ラストに2人で終わらせるのも好感が持てる。
- sla********
4.0点
映画のビラには「世界中が熱狂!!この父と娘に涙し、笑った」とあったが、そのような熱量は感じなかった。 父と娘役にも当初魅力を感じなかったが、物語が進むにつれて二人のの関係に愛着がわいてきて160分間最後までダレなかった。 映画ラストの父から娘へメッセージは普遍的であり、心に響くものだった。
- emi********
2.0点
本編が圧倒的予告負けしていて本当に退屈でした。 あれだけ持ち上げられた父親も別に何か大きな事を成し遂げたというわけでもなくほぼ寒い空回りにしか見えず。心暖まるどころか寒い映画という印象。
- tat********
3.0点
ドイツ系コンサル会社に勤めるエリートのイネス、その父親ヴィンフリートはいたずら大好きな学校の先生だ。ルーマニア石油会社の人員削減を請け負ったイネスはといえば、仕事上のストレスで窒息寸前。コカインに手を出すは、会社の同僚とは不倫するはで、仕事以外の私生活は滅茶苦茶。そんな娘を心配したヴィンフリートは、休暇中下手な変装で娘をストーカーしまくって、何とか娘の気持ちを和ませようと試みるのだが… 出っ歯の入れ歯にかつら姿のトニ・エルドマンは誰がどう見てもヴィンフリート、しかも繰り出すジョークはまったくといって笑えない、というかヨーロッパの洗練性を微塵も感じさせないほどウザい。どこにでもずけずけと入り込むずうずうしいエルドマンだが、なぜかその場を和ませあっという間に民衆の心をつかんでしまう。そうこのトニ・エルドマンこそ、現在のEUをも席巻しつつある(ドナルド・トランプに象徴される)ポピュリズムそのもののメタファーだったのではないか。 若者に人気の『ニッポンのジレンマ』などをたまにTVで見ても、外側のシステムをいじって社会問題を解決しようとする残念な意見ばかりで、本作のエルドマンのように渦中に飛び込んでいく勇気のある若手起業家は皆無。要するにエリートという人種は古今東西を問わず自分の手を汚すのが基本的に好きではないのだ。英国のブレグジットをはじめとするポピュリズム台頭の原因は、非エリートの大衆を無視したエリート層の暴走にあると分析したフランスの人口学者がいたが、まさに本作のいわんとするテーマはそこにあったのだろう。 エルドマンことヴィンフリートが娘イネスを連れ回し、人員削減の対象となる石油掘削所を訪れ、素朴な地元民と触れ合うシークエンスがとても印象的だ。まずはエリートが“自分の手を汚すこと”、そして綺麗なドレス(理論武装)を脱ぎ捨て大衆と“裸の付き合い”をすることの意味を問うたこの作品、実はヨーロッパの名だたる映画賞を総なめにした大ヒットムービーなのだ。ポピュリズムがいいとか悪いとかいうよりも、成果ばかりを追求するEUのグローバリズムに疑問を投げかけた政治的メタファーが、ヨーロッパの人々に受け入れられたからにちがいない。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
NY批評家協会賞第82回