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散歩する侵略者 (2017)

BEFORE WE VANISH

監督
黒沢清
  • みたいムービー 690
  • みたログ 2,562

3.13 / 評価:1952件

ガイドになって見届けたくなる

  • movie109 さん
  • 2017年9月16日 21時52分
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

そうか、原作は舞台演劇なのか!
だから、SFのような話のスケールの割にコンパクトにまとまってるのか。

そしてこの作品の最大の魅力は、この独特の雰囲気、怪しさ、不安などだ。
冒頭のシーンはかなり強烈だ。
まるでホラー映画かと思ったわ。
だが次に出てくるのは、自分は宇宙人だというおかしな青年だ。
このアンバランスさが、ちょっとコミカルにも映る。

コミカルなテイストなのに、宇宙人の行動は実に哲学的だ。
“概念”を集めているのだと言う。
淡々と奪うその動作、そして奪われたあとの人間のリアクションがまた、より不思議さ加速させる。

そこに“ガイド”として巻き込まれる数人の人間のリアクションもまた面白い。
当たり前だが、最初は『ナニ言ってんの!?』から始まる。
そりゃ、相手が相手だからね。
少しずつ不安を覚え、まさか?と少しずつ信じ始める。

その忍び足のような感情の変化はまさに観てる側とリンクするものだ。
“ガイド”はまんま観る側と言ってもいい。
そうだな、やっぱ男性ということでしっくり来たのはフリージャーナリストの桜井の方だな。

最初は暇つぶし、興味本位だったとしても、次第にこいつらが一体何をしようとしているのか、見届けたいという気持ちになる。
そしてここまで行動を共にすれば、最後には情みたいな感情も生まれてくるのも無理ない。
桜井の人間性が最初はあんなだったから、終盤に魅せた彼の行動は別人のようで、感慨深いものがあった。

てっきり松田龍平と長澤まさみくらいしかメジャーどこは出ていない地味な作品だと思っていた。
ところが、長谷川博己も出てんじゃん!!
それどころか、端役も含めて、かなり豪華なキャスティングなんだよ!
前田敦子、満島真之介、東出昌大、笹野高史、さらに小泉今日子ときたもんだ。
特に東出の使い方は贅沢だったなぁ。
満島真之介も、最初は気づかないような地味な役だったが、インパクトがあった。

でもやっぱ強烈な存在感を残したのは高杉真宙だ。
演技が浅そうで深いね。
彼のあの怪演がなきゃ、この作品は絶対に成立してなかったわ。
ファブリーズのCMの息子として認識が強いのだが、先日の「トリガール!」の先輩役とか、この子、最近いいよなぁ~~
パートナーの女子高生宇宙人もウザくていいキャラだったが、やっぱ真宙だな。

もちろん松田龍平はこういう役、演技はお手の物だ。
飄々とした感じが、これ以上ないくらいにベストマッチしている。

宇宙人たちも含めて、それを追う謎の集団など、一体世界の真実は何なのか?
やっぱこういうSFミステリーみたいなのは面白いなぁ。不思議さが心地よい。
それでいて、メインは小さいところで収まっていて、最終的には“愛”なのだ。

長澤まさみ演じる鳴海の取った行動はとても愛おしいものだった。
だが、それをすればどうなるかというのも分かるだけに、切なかった。
侵略されて蘇るとはねぇ。だったらいっそ、人類が滅亡した方が・・・

ただ、舞台演劇らしい身の丈で終わってた方が良かったかな。どうしても映画だから、終盤の爆発や侵略シーンを見せたくなるのかもしれないが、違和感しかなかった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • 不気味
  • コミカル
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