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パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
2017年7月1日公開

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MEN TELL NO TALES

1292017年7月1日公開

hick

4.0

良くも悪くもマンネリ要素が強い作品

ロッテントマトではシリーズ1評価が低かった今作。個人的には結構好きだった。 まずこのシリーズの醍醐味であるコント風アクションシーン。今作は冒頭の銀行強盗シーンで銀行から家ごと盗むというトンデモ展開。家屋が街を駆け巡るぶっ飛んだ映像に何度も笑った。このシーンはシリーズ内でもトップクラスで面白かった。そして処刑シーンのジャックとギロチン大回転。よく思いつなぁと思う構図。撮り方が最高だった。この2つのシーンに関しては今までで1番コメディー色が強いかもしれない。 クライマックスのアクションも視覚的に新鮮で海の底の対決は美しかった。そこに碇にのって助けにくるバルボッサはやっぱりカッコいい。シリーズで一番好きなキャラ。もうジェフリー・ラッシュが演じる彼を見れなくなるのだろうか…。そこから続くラストまでのドラマは、過去作を活かしたストーリーでとても良かった。前作のように完全な独立作だと物足りないので、今作のようにオリジナルメンバーのドラマが関わっていると見る価値も上がる。次回への伏線も入っていたが、果たして続編は作られるのか…。 ただやっぱりマンネリ化してしまっているのは否めない。話の流れもそうだが、登場人物の目的や関係性は使い回し感が強い。わざとやっているように感じるほど。例によって、意味の無い展開の挿入も踏襲してしまっていて、結婚式のシークエンスはストーリーとは関係が無く、このシーンはB級映画のような雰囲気。恨みがあるのに結婚させるって意味がわからない。そもそもあの島に上陸した意味が分からない。劇中のイギリス軍の存在も特に意味はなく何もしないまま船ごと襲われる。 またジャックに至っては回を重ねるごとにどんどん「バカ」になってるような気がする。コメディー色が強くなり、一作目のような何を考えてるか分からないミステリアスさは薄くなっている。終始ボケ倒し、考察させるような深みはもう無い。今回は特にジャックのボケとカリーナのツッコミの繰り返しがしつこい。 そして腑に落ちない所の多さも健在で、1番は導入部分のジャックのコンパス。あんなに大事にしていたコンパスを酒が欲しいという日常の欲のために簡単に手放すなど考えられない。しかもコンパスを手放すとサラザールの呪いが解けるというが、過去にも手放した場面は多々あった。要らないと思った時に「手放す」と見なされるのか?回想シーン内ではコンパスとサラザールの関係性が無く、なぜ呪いを解くカギななっているのか不思議。ちなみに2作目でティア・ダルマがジャックに向かって「あんたにあげたコンパス」と言っているので、今回の回想で矛盾が…。 一番疑問に思ったのは『最後の海賊』って誰?という事。ちゃんと本編を見て邦題をつけたのだろうか。一切触れられていない。原題の「死人に口なし」は劇中何度も言及され本作のテーマでもあったので、そこをもじって欲しかった。 今作は前作が低評価だったせいか、マンネリ化を許容してしまう感じで「まぁこんな感じだよな」という印象。ただ、期待しているシリーズ醍醐味のコメディーアクションがとても良かった事や過去作と結びつけてシリーズ全体のドラマが少し動いた事が好印象だった要因かもしれない。

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