5.0点
…あらすじは解説の次のとおりと書こうと思ったら空欄で、レビュー数も未だ15件のみだ。 あんまり人目に付かない作品なんだな。 ネタバレ厳禁作品なので書くのが難しいが、取り敢えずは書き出してみよう。 実業家ドリアの部屋に、敏腕女性弁護士グッドマンが訪ねてくる。 ドリアは不倫相手だった女性ローラを密会場所のホテルで殺した容疑を掛けられており、グッドマンはいわば彼の無罪請負人だった。 数時間後に迫った審理を前に、グッドマンは反証の準備をするためドリアにどんな事実でも包み隠さず明かしてほしいと言う。 そこでドリアは事件の発端、密会したローラと車を走らせる中で起きた、ある不幸な事故について語りだす……。 その不幸な事故とは、今から3カ月前の出来事だ。 話が長くなりそうなので、以下、箇条書きにしよう。 ドリアとローラは密会後の帰途の車中で口論となり、対向車と衝突事故を起こしてしまう。 2人は無事だったが、対向車の男は亡くなってしまう。 ドリアは警察に通報しようとしたが、ローラが「そんなことをしたら、何もかも失ってしまう」として、男の遺体をドリアが処理することになる。 ドリアはその男の遺体を車ごと湖に鎮める。 一方のローラは車が故障して立ち往生する。 折しも近所の初老の男トマスが通り掛かる。 トマスは元整備士だったので、ローラの車を牽引して自宅に運ぶ。 トマスの奥さんもイイ人でローラのことを心配してくれる。 彼等にはダニエルという息子がいて、その写真を見てローラはギョッ!と驚く。 なんと!先ほど死体遺棄した青年だった。 で、ローラがダニエルの携帯電話を所持していたので、その着信音が鳴った時は吃驚したな~。 序盤だけで、こんなに長くなってしまったので、以下、端折りながら書き殴る。 ダニエルの失踪は報道機関にも流れる。 ローラは更に画策を練る。 ダニエルは銀行の金を横領して逃走したという事実をでっち上げる。 ここまでのストーリーでは、ローラはビッチで、ドリアは誠実な人間に描かれている。 ドリアとローラが怪しいと睨んだトマスは独自に調査する。 ドリアの受賞パーティーにトマスが現われ真実を話して欲しいと懇願する。 ドリアは取り合わない。 その後、ドリア宛に「10万ユーロ用意して、ローラと共にホテルに来い」との脅迫電話が入る。 またまた話が長くなりそうなので、更に端折る。 グッドマンは、トマスこそが冒頭のローラ密室殺人事件の犯人だとの理論を展開する。 何故ならば、トマスの奥さんがそのホテルの従業員で、彼女の手引きなくしては密室殺人の謎は解けないからだと言う。 このグッドマンの検証にドリアはなびき、いよいよ更なる事実を告白する決意をする。 ダニエルを沈めた湖の場所を教え、しかも、沈める直前にはダニエルにはまだ息があったにもかかわらず沈めてしまったのだった。 クズはローラではなく、ドリアなのだった。 ローラは罪の意識に苛まれて精神科にも通院していたのだった。 ネタバレ厳禁なので、書くのはここまででお終いだ。 以下、二転三転の展開に画面に釘付け状態だ。 ボールペンのインクが洩れて……トマスの……いや、もう止めておこう。 極上のミステリーで、気持ちのイイ「してやられた感」を満喫できた作品だった。 ビリー・ワイルダー監督作品の『情婦(1957)』のエンディング・テロップに『この映画をご覧になっていない方々のためにも、結末は決してお話にならないように』とあったが、本作にも当てはまる至極のひと時を味わえた。 ラストのドリアの呆気にとられた顔に、オラッチも呆気にとられてしまったワイ。 (メモ 総レビュー数:2901件、2018年度:86作品目)