商売の邪魔をするなよ~
- bakeneko さん
- 2020年1月30日 7時57分
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「ハネムーン・キラーズ」や「ロンリーハート(2006年)」でも描かれた、1940年代のアメリカに実在したシリアルキラーカップル:マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスの物語を、現代のフランスに翻案して映像化したもので、「ハネムーン・キラーズ」では史実に忠実に太めの女優が演じたヒロイン?が普通の女性にレベルアップしています。
病院の死体安置所で働くシングルマザーのグロリア(ロラ・ドゥエニャス)は出会い系サイトで靴のセールスマンと名乗るミシェル(ローラン・リュカ)と知り合い関係を持つが、彼は少額の金を騙し取って姿を消してしまう。執念の捜査でミシェルの居所を突きとめたグロリアは彼の正体を結婚詐欺師と判っていながら愛しているので一緒になることを提案するが、頭では判っていてもミシェルが他の女性と関係を持つことにグロリアは我慢が出来なくて…というお話で、
細やかな心理解剖で不可思議なカップルの心の中が活写されていた「ハネムーン・キラーズ」
カップルを追いかける刑事の視点で凶行を見つめた「ロンリーハート」
と比べて、セミドキュメンタリータッチで生々しい性愛と凶行、そして死体の始末を見つめて、同じく凄惨な現実の事件をリアルに映し出していた「地獄の貴婦人」を連想させる作劇となっています。
そして、舞台をフランスに時代を現代に改変していますが、ミシェルの頭部への損傷やブードゥ―呪術への傾倒といった犯人の特徴は正確に再現していて、銃器を使わない発作的な殺害方法も事実に基づいています。
何度も映画化された地獄カップルの成立から凶行までを見つめる作品ですが、箍が外れてしまったカップルの独自の世界に籠った暴走を見せて、「俺たちに明日はない」のような解放感と「愛のコリーダ」や「愛の嵐」の様な背徳&引籠り感を現出させていますよ!
ねたばれ?
1、実際のマーサ・ベックは英国系なのですが、本作と「ロンリーハート」(演:サルマ・ハヤック)ではラテン(スペイン)系の女優が演じていますー「カルメン」などからのイメージかな?
2、「アフリカの女王」も僻地で出会った男女の運命的な恋を描いていたなあ~(カバのシーンってそんなに笑えるかな?)
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