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彼女がその名を知らない鳥たち (2017)

監督
白石和彌
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3.99 / 評価:2791件

惜しみなく与え、見返りを期待しない愛

  • ローラ さん
  • 3級
  • 2017年11月2日 16時59分
  • 閲覧数 5924
  • 役立ち度 33
    • 総合評価
    • ★★★★★

白石和彌監督がメガホンをとった作品で、蒼井優ちゃん、阿部サダヲさん等大物キャストとくれば、それはそれは期待度大でした。
白石監督には「凶悪」でKOされ、「日本で一番悪い奴ら」でもガツンとやられましたから、今度はどう来るのかな?と。

原作は未読ですが、沼田まほかるさん原作の映画化は
「ユリゴコロ」(熊澤尚人監督)
に続いて今年2作目ですね。
原作の違い、監督の違いはあるにせよ、この作品の方が心にずしんと訴えてくるものが大きかったです。
両方に殺人者が出てきますけど、この作品の方が殺人の背景や、殺人者の周辺の人々の行動や感情に、観る側の気持ちを寄せ易いと感じました。

やはり、白石和彌監督、さすがです。
ラストでの蒼井優ちゃん演じる十和子の回想シーンを観るまでは彼女の背負ってきたものの実体がはっきりとしていませんでしたから、ラストで一気にたたみかけて来たー、と思いました。

蒼井優ちゃん、近年の映画作品は
「家族はつらいよ」シリーズ(山田洋次監督)
以外はほとんど、面倒くさい女の役ばかりですが、この作品もまあ、そうでしたね。きれいなのにつけこまれて男にもてあそばれる、損な役どころですが、自然にうまく演じてましたね。
「花とアリス」(2004年 岩井俊二監督)
の頃の彼女を思うと複雑な感じもしますが、これも女優としての成長でしょう。

パッと見、イケメンだけどゲスな男として竹野内豊さん演じる黒崎、松坂桃李さん演じる水島、が登場します。
まあ、どちらも揃いも揃ってヒドイ男で、イメージダウン大丈夫?とも思いましたが、松坂さんは近年
「ピース・オブ・ケイク」(2015年 田口トモロヲ監督)
でのおカマの役など、インパクトある役もこなしているし、むしろ俳優として肝が据わっているナ、と好感を持ちました。

阿部サダヲさん演じる陣治ですが、素晴らしかったです。完全に陣治がそこにいましたね。
この男と十和子が何故、同居しているのか?
観ていて誰もが不思議に思うはずですが、これが最後にやっとわかるんですよね。
この仕掛けがクライマックスなんですが、ここまで十和子を愛することができるのか、と胸が痛くなりました。

陳腐な言い方ですけど、愛は切ないものです。痛々しいものです。
相手に惜しみなく与えるのに、自分への見返りを一切期待しない愛なんて、そうそうあるものではないけれど、この作品にはそういう愛が存在していました。

ルックスのいいだけの男に騙されてはいけません。
これもこの作品のひとつの教訓かも(笑)

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