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全員死刑
2017年11月18日公開

全員死刑

R15+982017年11月18日公開

Yahoo! USER

1.0

ネタバレ知性を一切感じない映画

内容や映像、音楽など含めて、見るに堪えない散々な映画だった。 「どれほど駄目な映画だったのか」については、これまでの多くのレビュワーさん達が指摘しているとおり。 私は、この映画製作は倫理的に間違っているのでは、と感じた。 この映画は、2004年9月に福岡県で発生した連続殺害事件を基に作られている。 この事件では、加害者宅の近くで暮らしていた家族3名とその友人1名の計4名が犠牲になっている。 ということは、当然のことながら、劇中で殺害された4名についても実際に殺害された4名をモデルにしているということだ。 ちなみに劇中では、被害者達はこれまた間抜けな存在として描かれている。 例えば、被害家族の次男については実際とは異なり、ユーチューバーとの設定で、一人で動画を撮影している最中に殺害されることになる。 しかも、被害者がトランクス一枚でカレーのプールに入り、滑稽なリアクション芸をしているところを絞殺される(この時点ではまだ存命で、失神している状態)。 そして、被害家族の長男とその友人も殺害されるのだが、これも事実と異なり、その長男と友人との関係性については同性愛者を思わせる描き方をしている。 ユーチューバーや同性愛が悪いと言っているのでは無く、製作者による「死人に口無し状態なのをいいことに、事実とは異なるセンセーショナルな設定で被害家族を際立たせ、滑稽かつ面白要素を取り入れた殺害方法で話題性を高めようとする魂胆」が余りにも露骨で、極めて不愉快な思いが生じた。 実際の被害家族もこの映画と同様に闇金業を営んでいたとされており、これが事実だったとすると、被害家族についても必ずしも善良な市民だったとは言えない。 しかし、製作者側は「この映画は事実を基にしているがフィクションである」と唱えており、実際の殺害事件をエンターテインメント化しようとしたことには変わりは無い。 更に、この事件では、地元警察の不手際も多々発生してたことも問題視されている。 当初は事件性は無いと判断して捜査しなかったり、被疑者を確保した際にも被疑者から逃走される等々、その後の対応も含めて失態がいくつも指摘されている。 また、近隣住民に恐怖や強い不安を与えた事件でもあり、それら鑑みれば、「安易な犯罪エンターテインメント」として仕上げること自体、制作者達の感性を疑う。 実際にこの殺害事件に対して恐怖を感じた地域住民が存在しているにも関わらず、醜悪な殺害行為を面白おかしく脚色しエンタメ化しようとした製作側の独りよがりな姿勢に倫理観の欠如を感じる。 登場人物のみならず、製作者側からも知性が感じられない。 ただ、この加害家族のような短絡的で無計画、無教養で残忍な人達は実在する。 多くの人達が運良くこういった人々と出会っていないだけで、私たち一般市民の生活圏にも、当然潜んでいることだろう。 「こういった人々が私達の身近にいるかも知れない」。そういった危機意識を高めるきっかけとしては、残念ながら役に立つ映画なのかも知れない。

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