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勝手にふるえてろ (2017)

監督
大九明子
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  • みたログ 3,046

4.01 / 評価:2522件

赤い付箋紙

  • bwa***** さん
  • 2020年11月25日 14時17分
  • 閲覧数 500
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

切ないですね。妄想女子の片想い。中学の初恋の人を思い続けている江藤良香を松岡茉優さんが好演しています。初恋相手の一宮ことイチを北村匠海さんが演じます。
良香は中学時代の同窓会を海外留学して連絡が取りにくい同級生になりすましてまで同窓会を企画して、同窓会を開催します。イチも同窓会には来るのですが、その時にもうまく話す機会が持てませんでした。なので、再度上京したメンバーが集まるように仕掛けて再会します。良香は何とか二人だけの時間が作れたところで、お互いの話をする時間をもちます。その時にも興味を持っている事が共通していて、夢中になって話す良香。「君と話していると不思議。自分と話してるみたい」共感を持ってくれたことに感動する良香。「あの頃君と友達になりたかったな」その一言が良香に引っかかります。「イチ君ってさ、人の事君って呼ぶ人?」「ゴメン。名前、何?」一宮は良香の事を覚えていなかったのです。あんなにずっと好きだった人から存在さえも知られていなかったのです。
そこから世界が変わります。それまで街中の人と気軽に会話を交わし、自分の事を話していたように描かれていたのは全て良香の妄想で、その誰一人として話していないのが分かります。あんなに饒舌に話していたのにです。喫茶店でミュージカル風になる時に、椅子に座った自分と歌を歌いながら自分の気持ちを歌うシーンがあります。椅子に黙って座っているのが、本当の自分なのでしょうね。このミュージカルシーンは孤独な都会で生活する女の子の悲しさを見事に描いていました。アパートに帰って号泣するシーン、せつないです。

でもそんな子でも見ていてくれている人はいて、「付き合って欲しい」と言ってくれます。悪い人ではないんでしょうが、ウザい人です。このウザ男を渡辺大知さんが好演してます。この霧島を一宮のイチと対してニと呼びます。(過去に伝票の数字が1か2か分からず、結果2だった事にもかけてます)動物園でのデートの時のやりとり松岡さん上手いです。次の日会社でお弁当箱を返す時のやり取り。女性の微妙な感情の揺れが上手く表現されていました。良香の友人の来留美(石井杏奈)から「良香はまだ誰とも付き合った事ない」と言われた事が「いい年をしてまだ処女」と言われているように思えて、逆に妊娠したと言って会社を休もうとします。会社で荷物をまとめているシーンでいつも心で思っている事を本当に言ってしまいます。
現実と非現実。現実逃避をしてみるとあまりにも寂しい現実が待っています。
誰からも連絡は来ず、来留美から謝罪の電話があります。留守電のメッセージで「1は消去。2は保存」というメッセージから、ニに連絡してみます。ですが、着信拒否になってたりします。
会社に偽名を使って霧島と連絡をとって、雨の中霧島が良香のアパートに訪ねてきます。
この時の二人のやりとりがいいです。
言い合いをしてケンカのシーンなんですが、凄いラブシーンに仕上がっています。正直で不器用な男女のやりとりです。ここに二人が始めてお互いを意識することになった卓球の音に霧島がクリスマスプレゼントで渡した赤い付箋紙がハラリと落ちて、雨の水滴で真っ赤に染まっていきます。良香が本当に身体を許す象徴として印象的です。それから良香の方から霧島にキスをして、フェードアウト。真っ暗の中の雨音が印象的です。そして真っ暗が5秒ほどあったでしょうか。渡辺さんの歌う主題歌が流れて松岡さんの名前が表示されます。
最初のタイトルの表示の仕方から、監督のカッコ良いセンスが感じられる作品でした。

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