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4.0点
ネタバレプラセボと薬
初めからプラセボを知って飲むのと、本物の薬と信じてプラセボを飲むのと、同じものを飲んでも効果が変わるという。ドキュメンタリーを「本物の薬」、フィクションを「プラセボ」と言い換えてみよう。 本作が複雑で面白いのは、ケイトがクリスティーンを演じる「フィクション」を映画で追う「ドキュメンタリー」であることだ。初めはクリスティーンの自殺に興味を抱くケイトとこの映画を観る観客自身、複雑な苦しみゆえに自殺したクリスティーンにどんどん入り込んで、ケイト自身がクリスティーンと同化してゆく姿、これは「フィクション」なのか、それとも「ドキュメンタリー」なのか。演出なのか真実なのかがわからなくなる構成が秀逸。
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