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オリエント急行殺人事件
2017年12月8日公開

オリエント急行殺人事件

MURDER ON THE ORIENT EXPRESS

1142017年12月8日公開

Kainage_Mondo

5.0

74年の前作に挑んだ成果はあった。

シドニー・ルメット監督 ( 以下敬称略 ) の 74年 ( 日本公開は75年5月 ) 「オリエント急行殺人事件」 は、まさに映画の歴史そのもの ! 夢のように豪華なキャストとともに語り継がれる傑作だが、正面切ってリメイクに挑んだ本作も予想を超えた上出来な作品だった。 まず 名探偵 エルキュール・ポアロ ( ケネス・ブラナー 本作の監督でもある ) の個性。前作の アルバート・フィニー 扮する ポアロ は作り込まれたキャラクターが見事で、ある種の鼻持ちならない天才という雰囲気を漂わせていたが、本作の ポアロ ( ブラナー ) は人間臭さに満ちた仕上がりだった。 物語は全世界がご存知と言っても過言ではないもので、謎解き、犯人探しは映画の興味の外と言ってもよい程。巻頭から漂う前作の記憶とやりとりしながら、映像を楽しみ、出演 俳優諸氏の演技を楽しむ。そんな流れになっていた。 VFX 関連のスタッフの多さから判るように オリエント急行 の走行シーンは実に手間暇かかったもので、イスタンブールの街なかや山岳地区を疾走する爽快感や、雪崩に行く手を阻まれる緊迫感は見事だった。 列車がストップして以降の屋外シーンを意図的に増やし、少々取って付けたような印象のアクションシーンをサービスしたのは、前作との差別化を図ったものだろうが、不自然に感じるか否か ぎりぎりの線だったような気がする。ナイスチャレンジだったが。 前作で リチャード・ウィドマーク が演じた ラチェット は今回 驚きの ジョニー・デップ だったが、記憶に残る役として受けたのか、どこか吹っ切れた印象だった。今を時めく スター・ウォーズ の デイジー・リドリー がしっかり目立っていたり、今回のキャストもそれなりに素晴らしかった。 中盤まで ★4つ 程度かな~ と思っていたら、エンディングに至って ケネス・ブラナー = ポアロ の名演技が利いて ★ひとつ 格上げ。前作のカーテンコールめいた乾杯のシーンは無かったが、感動の幕切れだったと思う。

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