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ターミネーター2 3D (2017)

TERMINATOR 2: JUDGMENT DAY 3D

監督
ジェームズ・キャメロン
  • みたいムービー 73
  • みたログ 386

4.43 / 評価:320件

アディオス!とジョン・コナーは言った。

  • koukotsunohito さん
  • 2017年8月15日 23時17分
  • 閲覧数 1916
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

26年ぶりに劇場で鑑賞。

できれば「特別編」のほうで観たかったし(シュワちゃんの不自然すぎる笑顔のシーンとか好きだったんだが)3D効果もそんなではなかったけど、あらためて「面白い映画だなぁ」と実感。

ハッキリ言って中途半端な新作映画観るぐらいなら、これ観たほうがよっぽど満足感がある。

先に前作を観ておいたほうがいいけど、仮に観ていなくても話の内容はわかるようにはなっている。これぞ続編のお手本といえるんじゃないだろうか。

少年ジョン・コナーの父親カイル・リースはすでにこの世になく、それまで誰も務まらなかったジョンの不在の父親代わりとなるのはシュワルツェネッガー演じるT-800。

酒に酔わず、子どもに暴力も振るわない、そしていかなる強敵からも我が子を守る頼もしい理想の父親。

前作では無表情で非情な殺人マシーンを演じたシュワちゃんが、ここではユーモアも漂わせて徐々に「人間らしさ」を学びながらコナー母子を守る。

敵は前作のターミネーターよりもさらに体温を感じさせない、クールな液体金属製のT-1000。

このキャラクターの造形が実に秀逸。『ダイ・ハード2』でテロリスト役としてわずかなシーンに登場したロバート・パトリックに白羽の矢を当てたキャメロンは慧眼だった。

パトリックの鋭い目つき、シャープな顔つき、それらが体の形を自在に変えて鋭い刃物状の腕で襲ってくるT-1000のイメージと完全に重なっている。

いかにもボディビルダー体型のシュワルツェネッガーとの外見上の相違も効果的。

結局、その後も続いた同シリーズの中でも本作のT-1000を超える魅力を持った悪役は生み出せていない。

主役から脇役、端役に至るまですべての出演者がハマっていて、この映画の完成度に貢献している。

前作では襲いくる殺人者から逃れて生き延びることで精一杯だったヒロインは、この続編では新たなるヒーロー、T-800と息子とともに最後には殺人者を送り込んでくるコンピューター、スカイネットの息の根を止めて世界を救う。

この2作によってようやく物語は完結したといえる。

1作目はSFの形をしたホラー映画の一種だったが、続編のこちらは疑似親子モノで西部劇的な物語に変化している。

機械のヒーローは最後に人間の涙の意味を理解して、いっときまるで親子のように過ごした少年のもとから去っていく。

この映画は紛れもない娯楽作品だが、最初に劇場公開された1991年には東西冷戦も終結してもはや時代遅れにさえ感じた「核戦争の恐怖」は現在のほうがより現実味を増しているし、無人化された戦闘機はすでに存在する。AIが自我を持ち人間に反乱を起こす、という展開もまた「ただの荒唐無稽」と笑ってもいられなくなってきている。

未来は先の見えないハイウェイで、未来を見ていない人間が水爆を作った。しかし世界の滅亡は私たちの運命ではない。「運命」は自分自身の手で築いていくものだ。

未来から来たカイル・リースの言葉は現在を生きるサラやジョンたちに受け継がれる。

この『T2』が作られて四半世紀が経ったが、そこに込められたシンプルなメッセージは、今こそ人々が強く心に留めておくべきものだ。

「機械が生命の価値を学べるなら、我々も学べるはずだ」

人を殺すのが使命だった機械は学び、人を救う道を選んだ。

命を生み出す“母”は息子に間違った選択に抗うことを教え、その母子とまるで家族のようにともに戦い勝利するヒーローの姿は、今やSFアクションの姿を借りた寓話になり得ている。

T-1000を倒したT-800がサラたちの手を借りて自らを「抹消」したとき、殺人機械“ターミネーター”はこの世から姿を消したのだ。

先の見えない暗い道をT-800はその目でしっかりと見ることができた。

奇しくも終戦の日にこの映画の感想を書いたが、恐ろしい未来を変えるのは私たちの正しき選択にかかっているのだ。

詳細評価

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