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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) (2017)

WAR FOR THE PLANET OF THE APES

監督
マット・リーヴス
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3.55 / 評価:2,181件

解説

『猿の惑星』の前日譚(たん)を描いた『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の続編となるSF大作。猿と人類が地球の支配者を決する戦いの一方で、自らの種族を守るべく行動する猿のリーダー・シーザーの心の葛藤も映す。シーザーは、前2作に続きアンディ・サーキスが演じる。共演は、ジュディ・グリアとウディ・ハレルソンら。監督は前作と同じくマット・リーヴスが務める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

猿と人類の全面戦争が始まってから2年が経ち、シーザー(アンディ・サーキス)が率いる猿の群れは、森の奥深くのとりでに姿を隠していた。ある日、奇襲によってシーザーの妻と息子の命が奪われる。シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐(ウディ・ハレルソン)に復讐するため、オランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)らと共に旅立つ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」過去の戦争映画の記憶を喚起させ、猿と人間の闘いは終局を迎える

 「敵対する人間と猿の混在する世界が、はたして長続きするのか?」

ーー1970年「続・猿の惑星」宣伝コピーより

 前々作「猿の惑星:創世記」(11)を起点に、旧5部作(68?73)に優るとも劣らぬフランチャイズを成立させた新生「猿の惑星」シリーズ。人間に育てられながらも、エイプ(猿)の権利を得るために敵対を選んだシーザー(アンディ・サーキス)の闘いは、ここへきて最終局面を迎える。前作「猿の惑星:新世紀」(14)でのエイプの内訌を経て、人間との戦争はより終末的となり、秩序の崩壊は人間側に恐るべき支配者をもたらした。シーザーはそんなテロ部隊を率いる暴君・大佐(ウッディ・ハレルソン)に妻子を殺された復讐と、捕虜となった仲間を救うため、彼との一騎打ちを果たす「最後の聖戦」へと自らを向かわせるのだ。

 こうした物語に監督のマット・リーヴスは、「突撃」(58)や「大脱走」(63)そして「プラトーン」(87)など、過去さまざまな戦争映画の記憶を喚起させる演出をほどこし、先述の事態をファンタジーではなく、人間どうしの争いと見紛うほど迫真的に描いている。特に捕虜ジャンルの歴史的名作「戦場にかける橋」(57)への言及は、同映画の原作者であり「猿の惑星」(68)の原作者でもある社会派ピエール・ブールへの敬意を濃く放つ(プールは捕虜時代の体験をもとに両作を執筆)。そしてなにより、戦争の狂気に囚われた支配者の暗殺を描く「地獄の黙示録」(79)の韻を踏むことで、本作はシーザーの道行きと、向かう先々で彼が目にする人間の愚行を「地獄の黙示録」のウィラードばりに再現する(もちろんスキンヘッドの大佐はカーツだ)。監督が豊かな映画知識を自作へと結実させ、作品はこれ以上ないほどの壮大なクライマックスへと到るのだ。

 現実社会を映したシリーズ独自の寓話性に瞠目させられるが、最も注視してほしいのは最後、シーザーの「時代の役割を終えた」かのような表情から、CGを越えてアンディ・サーキスその人の顔貌が感じられるところだろう。これはシリーズ最大の功労者を讃える、監督ほか視覚効果スタッフたちの粋な計らいだ。デジタルキャラクターをここまで生きた存在にした、ひとつの到達点としても本作の価値は揺るぎない。そんな成果を含め、敵対する人間と猿が混在する世界の結末に、ぜひともオンタイムで触れていただきたい。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2017年9月28日 更新

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