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おしゃれ泥棒

おしゃれ泥棒

HOW TO STEAL A MILLION

126

しん

5.0

色んな意味でお洒落な映画です

『おしゃれ泥棒』まさしく映画の内容にふさわしい邦題である。 原題は「HOW TO STEAL A MILLION」 どうやって100万ドルを盗むのか? ただ現金を盗む訳ではない。 100万ドルの価値のあるチェリーニのヴィーナス像をどやって 盗むのか?と云う事である。 では何がお洒落なのか? 舞台はフランス 冒頭からの真っ赤なカーテンコールの美術品オークション会場。 そこへ真っ赤で可愛らしいクラッシックカーに乗り 全身白で身をまとったオードリー・ヘプバーンが登場する。 この「赤と白」のコントラストが素晴らしく目を引く! クラシックカーの数々、レトロで格式ある建物、重厚でクラッシックな家具、 もう見ているだけでも優雅な気分になりお洒落である。 そして注目すべきはヘプバーンの変幻自在なファッション! 「白」「赤」「緑」「黄」「黒」「紺」「ベージュ」あらゆる色彩を駆使した 数々のファッションが素晴らしくお洒落である。 まるでヘプバーンのファッションショーを見ているかの様だ(笑) またヘプバーンは何を着ても良く似合う! 顔が小さくて目が大きくキリっとしているから、どんな服を着ても栄えるのだ。 特に注目した衣装は黒のドレスにマスク調の黒ベールをまとい 全身黒ずくめのファッション。 女性ならず男性の私でもウットリした(笑) ヘプバーンと云えば衣装担当は恐らくジバンシーかイディス・ヘッド。 毎回ながら、その感性には唸らされる(ウゥ~) また美術館の壁のリバティ調とも幾何学調とも云える ヨーロッパ独特の柄や模様。 エレガントをイメージさせるパープルやワイン色の敷物の高級感。 ゴッホ、レンブラント、フェルメール、ロートレックなど 18~19世紀のバロック文化を代表する絵画の数々。 私には絵画の価値は分からないが多分お洒落である(笑) 映画で何度も登場するホテル・リッツカールトンの高級感溢れる部屋。 ロビーにある格調のあるレストラン。 これも素晴らしく綺麗でお洒落である。 そして、『おしゃれ泥棒』の名にふさわしい泥棒?役がピーター・オトゥール。 このオトゥールが「ある目的」でヘプバーンの家に絵画を盗みに行き、 ヘプバーンに見つかったのが二人の出合いである。 「こんなお洒落で紳士な泥棒おるか!」そう突っ込んでしまう(笑) この二人の会話の間、言葉の掛け合い、行動がかなり笑える(爆) ラブコメ映画にふさわしく笑いのツボを刺激する映画である。 いや笑えるだけではない。 ストーリーの繋げ方、演出が、かなりお洒落でお洒落だから笑えるのである。 最近の中身のないラブコメトークとはちょっと格が違う。 ヘプバーンがオトゥールに父が所有するヴィーナス像を 美術館から盗んでほしいとお願いするのだが 父の「所有」する美術品を娘が盗んでほしいと依頼する? 何とも不思議な話であるが、このヴィーナスがまた「訳あり」なのである。 二人がヴィーナスを盗み出すシーンが映画の大筋なのだが、 この盗みのシーンの芸が細かいし小道具の使い方が絶妙に上手い! そして笑いの連続!(爆) このシーンと「訳あり」の意味は是非映画で観て下さい。 後半はドタバタコメディチックにはなるが そこに微妙な恋愛感情を描写している所も素晴らしくお洒落! そして何が一番お洒落かと言えばオトゥールがヘプバーンの 「心」を盗んで行く演出が一番お洒落!(笑) もうとにかく二人の全てがお洒落過ぎる! そう色んな意味でオシャレな映画なのである。 ヘプバーン37歳時の映画で熟練した色気さえ感じる本作。 お洒落に飢えてる方は是非鑑賞して下さい(笑)

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