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さよなら、ぼくのモンスター
2017年7月16日公開

さよなら、ぼくのモンスター

CLOSET MONSTER

PG12902017年7月16日公開

bakeneko

5.0

ネタバレハムスター大迷惑!

トロント映画祭でグランプリとなった、28歳の俊英ステファン・ダンの出世作で、8歳の時のトラウマから自身のホモセクシュアル志向に恐れを抱いている少年の“青春入り口での逡巡と過去との決着&未来への飛翔”を活写している青春&ホモセクシュアルムービーの佳作ですが、映像のカットバックや音楽とのシンクロナイゼーションにどうしても同郷フレンチカナディアンの新鋭グザヴィエ・ドランの影響が色濃く出てしまっています。 自身がホモセクシュアルと認めることへの抵抗&恐怖感を抱きながら成長してきた主人公は、女優志願の親友ジェマの協力でNYの特殊メイクアップの専門校への入学準備&参考製作に精を出していた。ある日パーティでアンドリューという少年に出会ってから幼児期から抱えていた同性愛的衝動に気がついて…というお話で、アルバイト先の大工用具店の女店主や占有欲の強い父親、離婚した母親ら普通のカナディアンである周囲の大人達の様子も深く描きこまれています。 そして、重要なパートナーであるハムスターのバフィー(声は何と…)の活躍?(というか受難)も物語にユーモアとアクセントを付与していて、ラストの独白でハムスター飼育経験のある観客の映画鑑賞中ずっとモヤモヤしていた謎もすっきりしますよ! また、同じ題材であるフレンチカナディアン&ホモセクシュアルの青春期を描いているということで、グザヴィエ・ドランの影響が強く出ている作品で、音楽と映像のハーモニー効果はオマージュを通り越して模倣といってよいレベルとなっています(まあ、ドラン風の映像として割り切って眺めれば、なかなか上手に真似をしています)。 青春の入り口に立っている少年の逡巡&葛藤&別離を描いた青春ムービーで、数々の使用曲も監督の嗜好が表されていますし、カナダの学生のNYへの憧れも活写されていますよ! ねたばれ? 原題:Closet Monsterの“Closet”は単なる箪笥の意味ではなく、“隠している同性愛的傾向“の隠語であります(「セルロイド・クローゼット」という、古今東西の名画の中の同性愛の暗喩を指摘するドキュメンタリーの怪作もありましたよね!)。

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