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さよなら、ぼくのモンスター
2017年7月16日公開

さよなら、ぼくのモンスター

CLOSET MONSTER

PG12902017年7月16日公開

jac********

4.0

アイデンティティに悩む青春映画

映画監督ステファン・ダンが当時26歳で監督した半自伝的作品である。1.5時間程度の作品で短い。監督が26歳の作品なのでややラフなところもあるが、綺麗にまとめていると思う。 同性へ恋愛感情を持ってしまうが、子供時代のトラウマ故にゲイであることを受け入れられないという高校生のオスカーが主人公となっている。ただゲイを受け入れるか否かという問題に加えて、高校卒業後の進路の問題、親との軋轢なども絡んでくる。ここらへんの悩みは青春を経験した人なら誰しも共感するところはあるだろう。ただ青春映画というにしては、子供時代のトラウマ体験があまりにも強烈過ぎる。 音楽の使い方などに、カナダの新進気鋭の天才映画監督グザヴィエ・ドランの影響を受けているという(ドランもちなみにゲイである)。しかし、ドランほどに楽曲をクローズアップしているわけではないし、あくまで影響を受けているにとどまると思う。カメラワークもドラン作品の影響を受けているが、なかなかこっていて、26歳で監督をつとめたとは思えないほどの仕上がりである。 本作で興味深いのは、嘔吐したらボルトやナットだったり、腹痛だと思ったらトラウマの原因の鉄の棒がお腹から出てきたり、ペットのハムスターと会話したりなど、現実と幻想の境界線が曖昧な点である。ゲイを受け入れるか否か、子供と大人、夢と現実などマージナルななかで揺れ動く主人公の心理状態をビビットに描写している。 ただ子供のころから飼っているペットのハムスター。ハムスターってこんな長生きだっけ?と思ったが、最後にネタバレが待っている。

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