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偽りの忠誠 ナチスが愛した女 (2016)

THE EXCEPTION

監督
デヴィッド・ルヴォー
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  • みたログ 143

3.60 / 評価:97件

字幕の訳語に問題ある。エロくないですw

  • divebomber0001 さん
  • 2018年5月18日 12時48分
  • 閲覧数 1250
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず映画としては、プラマー演ずるカイザー、ベン・ダニエルズのジーグルト大佐があくまでカッコいい。ナチスによってドイツは変質したのか。カイザーは復位の望みを持ち続けるが…。かつての皇帝のドイツは失われたのだ。主人公はドイツ軍の大尉だが、彼はナチスだろうか。おそらく違うのだ。皇帝やミーケとの交流の中で、違うことに目覚める。祖国とは何か。忠誠を誓うべき国とは何か。重いテーマをエンタメ作品の中に丁寧にうまく織り込んで、最後のスリリングなクライマックスになだれ込む。重くなり過ぎず見られる。

この映画はいわゆるスパイものとしてとてもよくできていると思う。ただいただけない点がないわけではない。ヒムラーがナチ党のことをNational Socialist Democratic Workers Partyと言っていたが、これはあまりにひどすぎる。National Socialist German Workers Party でしょう。これはもとの英語のセリフ。字幕は「わが党」。しかしそれ以上に許されないのはナチズム(National Socialism)をどういうわけか「社会主義」と字幕を打っていること。2か所も。ひどすぎる誤訳だ。

とにかくこの映画ではナチスはとことん下衆な連中に描かれているのであって、ここに二つのドイツが対立している図を見ないといけない。だからナチズムを社会主義(全くの別物)と誤訳することは映画全体の構成を台無しにしてしまいかねない。それくらい基本の重要なワードでしょう。耳だけで翻訳しているのだろうかと疑ってしまう。ナチスが主題の映画なのにナチズムの訳語を間違えるとかあってはいけないと思う。

邦題も毎度のことながら、「ナチスが愛した女」とかそういうのは映画のなかにはない。そもそも主人公のブラント大尉はナチスじゃない。すくなくともナチスとして描かれていない。戦場での経験からなかば自棄になりながら、カイザー護衛という本人にとってはあまり気の進まない任務に就くのだ。戦場で虐殺の経験から国が正しいのか疑問を抱きつつ、命令でカイザー護衛任務に就く。この任地での経験はブラントの考えを変えていく。国家への忠誠以上に重要なものが軍人にあるかをブラントに問われたカイザー付のジーグラー大佐は言う。「何が自分の国であるか。そしてまだそれはあるのか。」つまり国家への忠誠は無条件にあるものではないのだ。忠誠をつくすべき国家はまだ存在しているのか。ナチス・ドイツはかつてのドイツではもはやないのだ。ブラントは別のドイツをカイザー護衛任務の中で発見したのだ。

ミーケはもっと活躍するかと思ったが思いのほか活躍シーンは少なかったのがやや残念。でもブラントとの恋愛模様も映画の中ではとても重要なみどころ。エロティックシーンをWOWOWでは宣伝していたが、別にそれほどのシーンでもない。エンディングに持っていくための伏線だ。

もう一点ドイツ語でやってほしかったなぁ。

原作はAlan Judd, The Kaiser's Last Kiss (2003).

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