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DARK STAR/H・R・ギーガーの世界
2017年9月2日公開

DARK STAR/H・R・ギーガーの世界

DARK STAR: HR GIGERS WELT/DARK STAR: H.R. GIGER'S WORLD

992017年9月2日公開

ivo********

3.0

女性視点からのギーガー

晩年のH.R.ギーガーの様子や、彼を取り巻く人たちを、ごくごく淡々と撮影したドキュメンタリー。 監督も編集者も女性ということで、ギーガーの作品に触れるうちに自分も想像力を刺激されたり、感化されその世界に没入していく、ということは決してない。彼の日常に焦点を当て、周囲の人たちに平易な言葉で作品を語らせる。 現在の成功したアーティストは社会問題に興味を持ったり、健康に気をつけたりと、賢く人生全体のバランスを取っていく傾向にあるが、彼は典型的な昔ながらの、芸術に没入して社会性を欠いているタイプだ。 特に、元妻たちが離婚後も彼の仕事に関わったり、日常の世話をしているというところが、さらっと描かれてはいるが、実に奇妙でかつ、いかにも大物芸術家らしい、といった感じである。 社会人としては破綻していても、有名になりさえすれば(たくさんのお金が動けば)、芸術家は周りの人に支えてもらって生きられるようにできているのだ。本当に人間というものはよくできている。 この映画は、ギーガーの内面世界に深く没入していくきっかけには、まったくならない。繰り返すが、昔ならよくいたであろう生活破綻型の芸術家の日常を描き、その合間合間に彼の作品が、撮り手の思いもあいまいなまま軽く撮影されるのみである。 ギーガーの作品が観る者に感じさせる世界観の壮大さと、このドキュメンタリー作品自体が持つ閉塞感とのギャップが、やるせない。

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