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ライオンは今夜死ぬ
2018年1月20日公開

ライオンは今夜死ぬ

LE LION EST MORT CE SOIR

1032018年1月20日公開

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4.0

死に抗う映画

2017年。諏訪敦彦監督。年老いた俳優は死をテーマにした作品の合間に、かつての恋人の家に忍び込んで恋人の幽霊に合う。そこで、映画をつくろうとする少年たちと出会い、幽霊をテーマにした映画作りに巻き込まれていく、という話。 自身に迫りくる死、何十年も前の恋人の自殺、父が死んだ少年、死をめぐる歌、そして死をテーマにした映画内映画。これでもかと多層的に描かれる死。様々な死を通して一貫しているのは、死への抗いとしての生。それが映画をつくるということでもある。死の演技ができないと年老いた俳優が言うのは、言葉のとおり、映画のなかにはどんな意味でも死は描けないからだ。映画は生しか描けない。映画のなかの死は演技にすぎないし、死んだ恋人は幽霊としてよみがえる。死をめぐる歌詞のライオンもCGで堂々と歩きまわっている。 ラストシーンのジャン=ピエール・レオの見開かれた目が、死に抗う生の側にある映画を如実に表している。

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