最上の命医 2017
3.4

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


  • cyborg_she_loves

    3.0

    説教くさくて人間不在

     これも「映画」扱いでここにリストアップされてたんですね。  最近は医療ドラマ・医療映画ブームで、扱われる医学的知識のレベルも、ひと昔前とは比較にならないぐらい高度になってきています。  そこでそれを、思い切って極限まで押し進めて、現実にはまず絶対に治療不可能だけれど、理論的にはほんのわずかながら治療の可能性を考えることができるケースを虚構しておいて、超人的医師がそのほんのわずかの可能性を次々にあっさりと現実化していく様子を描いたら、さぞかしカッコイイだろう。  という発想によって作られているのが、このシリーズです。  「1%でも可能性があれば、その1%を200%にするのが名医だ」という、作中で何度も繰り返される台詞が、このドラマのコンセプトを端的に表わしています。  しかし、私に言わせてもらえば、カッコイイどころか、これぐらい嫌な気持ちを我慢し続けなければ見続けていられないドラマも少ないです。  何よりまず、説教くさいこと。  この西條や手塚の治療が、どれぐらい稀な可能性を確実に実現する素晴らしいものであるかを視聴者に理解させるために、そこらじゅうで図版入りの解説が入れられていて、こっちはまるで大学の講義を聞かされているみたいです。  彼らがおこなう手術もすべて、別室で別の専門家がモニターで見ていて、「おお、こんな方法を思いつくなんて何と素晴らしい、おお、ここはこんな技術を使っているぞ」等々の解説を全部口に出して説明する設定になっています。わざとらしいことこの上ない。  そして、こういう神がかり的な治療がちゃんと可能になるように、ちょっと笑えちゃうほど都合のよすぎる偶然がいくつもいくつもきれいに積み重なるように仕組まれたストーリー。  妊娠高血圧症に心臓疾患ももった少女が生命の危険に陥った場所が、医療器具は完璧にそろっていて医師だけがいない医院のすぐ近くで、そこにまたうまい具合に西條という天才的医師と、そして患者と血液を入れ替えても問題が起こらない母親が、きちんと居合わせている。そしてそのオペの様子はネットを通じて西條の師匠の手塚のところにちゃんと中継されていて、手塚はオペの手順の逐一をぶつぶつと小声で解説してくれる。  これではもう、人間ドラマの要素は絶無で、医学的知識を解説するためだけに作られた教材ビデオを見せられてるような気分になるじゃないですか。  このドラマで人間的感情を主題にしているのは唯一、後半の、手塚のオペによって視力を失った彼の娘・里香にまつわるストーリーの部分だけです。  じつは私が、こんなに不愉快に思いながら、それでもがんばって我慢して最後まで見たのは、この里香役の志田未来さんのファンなもので、彼女が見たかったからという、ただそれだけの理由なんですが、たしかに彼女は盲目の女性の父親に対する感情を、とても見事に演じていたと思います。「私はこの人生、けっこう気に入ってるんだよ」と、彼女が震える声で涙ながらに言うシーンは、「うるっ」ときました。  この不愉快なドラマに、それでも☆3つつけたのは、彼女の演技がすばらしかったからです。  しかし、この作品の中で「人間ドラマ」的要素があるのは、彼女が登場するシーンだけです。それ以外の部分はすべて、教材ビデオを見ているような感覚しか感じませんでした。母親の娘に対する心情、手塚の里香に対する心情、等々、いろいろな感情は描かれていますが、どれもこれも、医療技術のすごさを演出するために無理矢理設定された道具立て、という印象しか受けませんでした。  私は医療を主題とするドラマや映画は、決して嫌いではありませんが、ここまで人間ドラマをそぎ落として専門知識一辺倒のドラマが作られるようになったら、もう見る気はしませんね。「救命医療24時」とか「コウノドリ」とか、ああいう人気シリーズが今後こんなふうにならないことを、切に祈ります。

スタッフ・キャスト

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斎藤工西條命
大塚寧々萩尾一路
志田未来手塚里香
松尾諭千葉哲雄
遠藤雄弥小山田治
桃果萩尾萌絵
仁科あい海野千沙部
大和田伸也浦沢多茂津
比嘉愛未瀬名マリア
草刈正雄手塚義富

基本情報


タイトル
最上の命医 2017

上映時間
-

製作国
日本

製作年度

公開日
-

ジャンル