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密偵
2017年11月11日公開

密偵

THE AGE OF SHADOWS

PG121402017年11月11日公開

nin********

4.0

裏切られた人々の悔しさ

この映画を見ると、かつての朝鮮の人々が言葉にならない悔しさを感じていたことがよくわかる。 日本人は、大悪党でもなかったし、尊敬に値する立派な人たちでもなかった。自尊心ばかり高く、腹の中では軽蔑しながら、ウソだらけの夢を語る、お人よしの小悪党に過ぎなかった。 そんな国を信じて、人生を懸けた朝鮮人もいるし、同じ民族の同胞を犠牲にした人もいる。そうではなかった人たちでも、朝鮮人のほとんどと言っていい人たちは日本が描いた幻の夢や希望に従って、祖国を裏切っていた事実に変わりはない。それは一世代、三十六年間もの長い時間であったし、戦争という挙国一致の非常時を共にした時間でもある。 戦後日本人であっても、この事実に直面して絶望したり、神も仏もあるものかと、ヤケになったりしたのだから、敗戦で一転、祖国の裏切り者でしかなくなった人たちの気持ちは察するに余りある。彼らにとって日本は、尊敬に値する世界一の強者でなくてはならない。そうでないとすれば、断固として復讐すべき悪でなくてはならないのだ。 もし近代史が逆だったら、朝鮮が東洋の覇者で、日本が併合された側だったら? 歴史の事実を正確に知れば知るほど、彼らの言動が身に染みて分かる。日本人はあやまるばかりで、朝鮮人を信じなかったし、親愛すらなかった。感謝など、してもらえるはずもなかった。 なのにどれほど大切にすべきものを犠牲にしていたのだろうか。 この映画を見ると、簡単に嫌韓等と口にはできない。もちろん今の韓国人は、かつての人たちではない。日本に対し優越感を得たいがために、戦争責任を叫び、ありもしないことまで吹聴すること自体が目的でしかない人たちも大勢いる。だからこそ単なる反日映画を作るのではなく、韓国人にとっては考えたくもない事実をしっかりとらえようとする姿勢には驚くばかりだ。 かつての彼らの悔しさを少しでもわかり、親愛と感謝の念をどこまでも捨てない、誠実な日本人でありたいと願うばかりだ。

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