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密偵
2017年11月11日公開

密偵

THE AGE OF SHADOWS

PG121402017年11月11日公開

km6********

5.0

半端ない緊張感から目が離せない

映画の冒頭からひりつくほどの緊張感 追い詰められた後の、意志を貫き通さんがための自害は 朝鮮半島を統治しようとする日本警察と、それに抗い続ける義烈団の諜報戦がすでに始まっていることを教えてくれる 歩き方、目の配り方、行動の全てから相手の真意を読み取ろうとする 誰が敵で、誰が味方か、 信じていいのか、悪いのか、その心理戦に翻弄される いったい何人の密偵がいるのか、密偵を尾行する密偵がいる 信じるべき味方を疑い、本当なら敵であるはずの人物を信用する 列車という密室での行動は緊迫感が半端ないくらい、見ているこっちが緊張した 決死の覚悟で運ぶ爆弾だが、義烈団の人数を見れば、 独立運動に名を借りた、ただの犯罪者集団にしか見えず、 彼らの行く末はもうすでに見えていた それが映画の後半の切なさに続いていく 映画としての完成度はかなり高く、尾行している人物が見ているようなカメラワークなど、一瞬も目を離せないような場面の連続は、2時間20分という映画の長さを感じさせなかった かなりの出来の良さを感じたが、レビューの点数がそこまで高くないのは、 やはり扱う題材が朝鮮対日本という構図だからだろうか 確かに拷問シーンなど、日本が悪者になって当然のような場面があったり、 少しでも嫌韓の思いを抱く人から見れば、悪者にされている自分の国に対して 面白く感じないのはあるかもしれない しかし、エンターテイメント映画として見ると、すごいの一言だ 誰が密偵なのか探しながら、自分自身のこともバレてはいけないという 緊張感あふれる場面の連続に、 さっきも書いたカメラワーク然り、 息詰まる諜報戦をより一層盛り上げる音楽然り、 特にボレロが流れてきた瞬間、鳥肌が立った ボレロのラストは決してそれで決着したわけではないが、それでも一矢報いた形になったことの印象を強くする ソン・ガンホの日本語の上手さに驚いた 後半の切なさはこの上手な日本語が涙を誘うからだ イ・ビョンホンは久しぶりに見たが、全く変わっていなくて驚いた この映画ではそれほど出演場面は多くないが、存在感がありすぎる コン・ユのキム・ウジンは完璧だ 独立という強い信念を持つ男が、 同時に恋人への愛情もしっかりあることが伝わる 韓国映画としてはよくある構図の映画だと思う 韓国対北朝鮮、といった映画はいくつか見てきた 対北朝鮮や、対日本、といった構図は韓国の人達にはとても解りやすく、 ストーリーを作りやすいんだろう 未だ休戦中という、中途半端な緊張状態を私は想像さえ出来ないが かの国にはかの国なりの強い思い、信念があり、それがこういう映画を作らせる原動力になっているんだろうなと思うだけだ 出来るなら、目的が反日ではなく、エンターテイメントとして昇華してほしい 作る側も見る側も・・・ これからもこういう映画は作られていくんだろうとは思うが、 願わくば、拷問シーンはもう少し減らしてほしい・・・ 一瞬も目が離せなかった私が、そこだけは直視出来ずに見られなかったので・・ 痛いのだけは苦手なんです・・・

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